「検察vs小沢」の戦い 6 - 東京地検の嘘を暴く2009/05/17

政治資金規正法での大久保秘書の「虚偽記載」が成立するためには相手が必要である。つまり、虚偽の記載をすることになった献金を行った相手である。皆さんご承知のように、その相手とは「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」という2つの政治団体から献金を行った西松建設である。報道によれば、東京地検は、予定されている衆議院選挙と関係ないとして、大久保さんの逮捕を次のように説明していた。

「検察が最も意識したのは時効の問題だった。政治資金規正法の虚偽記入罪の時効は5年で、逮捕容疑になった2100万円のうち、03年の700万円分は今月末に時効を迎える。」

ソース:読売新聞09年3月5日付け「「違法献金システム化」で悪質、時効も意識し立件…東京地検」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090305-OYT1T00049.htm

しかし、先に取り上げた西松建設の調査報告書に、これに関連した記述がある。

「後者の他人名義での献金禁止は、客体が政党または政治資金団体であっても成立する犯罪であることから、同月24 日に國澤が公判請求された時点では、違法献金の額は100万円とされていたが、その後、他人名義での献金が重ねられたことによって、この額は合計500万円に増額されている。」(報告書21ページ)
http://www.nishimatsu.co.jp/press/2009/20090515_2.pdf

國澤さんが公判請求された時点の同月24日、つまり、大久保さんの拘留期限が切れる3月24日にいきなり増額されて出てきた、この国澤さんの違法献金額「500万円」は、どこから出てきた数字だろうか?この「500万円」は2つの政治団体が2006年の最後に小沢さん関係の団体に献金した、これのことではないだろうか。

ソース:四国新聞09年3月10日付け「西松、解散直前“駆け込み献金”/小沢代表側に500万円」
http://www.shikoku-np.co.jp/national/main/article.aspx?id=20090310000434

他にピッタリ該当する金額がない。となると、上記読売の記事に紹介されている東京地検の佐久間達哉部長が語った思われる時効の話は嘘ということになる。政治資金規正法の時効は5年であり、2006年に献金されているわけだから、時効は2011年、2年後である。東京地検特捜部は、この2年の間に大久保さんを「虚偽記載」で立件できたわけだ。予定されている衆議院選挙を終えても十分な余裕をもって。もちろん、東京地検が毎年の献金をこれは違法、これは適法と区別しているなら話は別である。その場合は、国澤さんの違法献金額がどうして「500万円」になったのか、ぜひ東京地検に明らかにしてもらいたい。

コメント

トラックバック

_ 個人発明家blog - 2009/05/18 18:36

西松建設から、今回の民主党・小沢秘書への献金問題についての報告書(PDF)が公開された。http://www.nishimatsu.co.jp/press/2009/20090515_2.pdf この報告書の重要部分は、udonenogureさんのブログ「雑感」に転載されている。以下に僕が述べることは、報告書の引用部分を含めて、このブログに大幅に依拠させてもらっている。 この報告書の内容を見て、僕が注目したのは、西松建設が設立した2つの政治団体は、西松建設のダミーだとしても、決して「実体のないダミー」ではなく、十分に「実体のある団体」(仮にダミーだとしても「実体のあるダミー」)だった、そういう事実が、この報告書で明らかになっている、ということだ。 これは、小沢秘書側に有利に、検察側に不利に働く事実だと思う。 なぜ、この献金した政治団体が「実体のないダミー」ではなく「実体のある団体(実体のあるダミー)」であることが重要なのか。それは、政治資金規正法では、「献金をした団体」の名前を記載すべきで「背後で資金を拠出した団体」の名前を書けとはしていないので、今回の件では小沢秘書は「献金をした団体