記事見出し先頭の「*」印について2009/06/04

このブログでは、その時々に自分が目にした情報、事実に基づいて自分の認識、考えを書くことを心がけています。ですから、その基になった情報、事実の内容が変われば、自分の認識、考えも変わることがあります。つまり、以前に書いたことでも、時間の経過とともに認識、考えが変わり、記事の内容も変わることがあります。これは、記録として残しておく方がいいのではないかと思い、誤字脱字の訂正は別にして、記事内容そのものを後になって変更した場合は、「変更」、「更新」を意味する「*」印を見出しの先頭に付けることにしました。一般に、英文ブログや記事で「UPDATE」と表されいるのと同じです。見出しの先頭に「*」印が付いている記事は、この「UPDATE」つまり、後で内容を変更、更新したことを意味します。

変換ミス、誤字脱字はなるべく無くすことを心掛けていますが、それほど時間の余裕があって書いているわけではないので、ご勘弁ください。

*検察vs小沢の戦い 7 - 地検の論理の行き着く先(続き)2009/06/04

まあ俺みたいな一般人からすると、二階派のパーティー券の不起訴について地検の言っているコレってのはかなり変と思うのだが、

「東京地検特捜部は「問題のパーティー券は、二階大臣の秘書が西松建設に購入を依頼していたが、派閥の団体の会計責任者など政治資金規正法の対象になる関係者は西松建設側とは接触しておらず、実際には西松建設が購入したと認識していたとは認められない」
ソース:http://www.nhk.or.jp/news/k10013354631000.html#

言葉の定義というのは、どうにでもなっちゃうもので、少なくとも俺とは違うというか、東京地検のの考え方も成立するのではという見方をする方もいる。興味のある方はビデオをご覧になっただろうが、その意味では、民主党「政治資金問題第三者委員会」第二回会合(都内・04月17日)の政治資金規正法を所管する総務省の担当者と郷原さんなどとの間のやりとりは面白い。有り難いことに、その内容をビデオから書き起こしてくれた方がいる。有り難うございます。

寄付行為者と資金拠出者(西松事件6)from 「Lost in Media」 by 真木アラタさん
http://mapublish.blog6.fc2.com/blog-entry-40.html

以下、許可をいただいてなくて申し訳ないが、このブログからやりとりの部分を掲載させていただく(一部真木アラタさんの意見も入っている)。総務省担当者の意見を読むと、東京地検がこの線でいこうとしていることが何となく分かるような。法律面での官僚の方の考え方のお勉強にもなってそれなりに笑えるかもしれない。

=====以下引用======

◆罰則規定があいまい

郷原氏(G)と総務省担当者(A)のやり取りはこう。

G:我々が聞きたかったのは、寄付の行為者と資金の拠出者が違う場合、寄付の行為者だけでなく資金の拠出者も収支報告書にも書かなければならないのか?
A:拠出というのが、多種多様な世の中、形態がある。拠出という一語を持って、先生が考えているような結論になるかどうかは定かではない。
G:要するに、寄付をしたという金銭の移転という外形的行為をした人を書けということで、それ以外の人を書けとは政治資金規正法は求めていないのでは?
A:法律のことしか我々は言えないが、寄付というのはこういう定義で、寄付をした者を記載しろとなっている。
G:ということですよね。それ以外の人を書けとはなっていないんですよね。
A:寄付をした者を記載しなさいとなっている。
(委員苦笑)
G:その寄付をした者の意味は供与と交付とあるわけで、外形的に金銭を移転させる行為を自分の名前で行う場合……。
A:まあ、条文上は外形的にとは明文としては書いていない。金銭物品その他財産上の利益の供与または交付という風に書いている。
G:とすると、単純化して言った場合、Aという人がBという人にお金を渡して、Bという人が政治団体や政党などに寄付した場合、それを受け取った側は、もしお金が出ているのは実はBじゃなくてAなんだとある程度認識していた場合、どう収支報告書に記載すべきか尋ねられたら、どう答えるのか。
A:我々としては、寄付はこういう定義で、寄付をした者を記載してくださいと答える。

こうした役人然とした煮え切らない対応に、郷原氏は当然、こう突っ込む。

「行政庁が基本的にこうすべきだという解釈を示すべきだと思う。それがなければ、罰則の適用を捜査機関、司法当局がどうにでも解釈してしまう」

委員たちにあれこれ言われ、総務省担当者は最後はこう嘆く。

「(政治資金規正法は)議員立法で、主たる改正も国会で議論されたという経緯を考えると、何というのか、政府提案の法律に比べると、言い難い部分があるが……」

つまり、自民の議員先生方が勝手に穴だらけの法律を作ったんだから、役人側としては何とも言えない部分があるんだ、と。

「トンネル献金」など日常茶飯事の自民党の先生方が、自分たちが摘発されないように抜け道のある法律をつくったわけだから、法解釈があいまいになるのは当然なのだ。


以下、もう少し詳しいテープ起こし。

※A=総務省担当者、G=郷原信郎・名城大教授、S=桜井敬子・学習院大教授、I=飯尾潤・政策研究大学院大教授

G:金銭が移転する、経済的利益が移転する、という場合の広く含む概念が「寄付」ではないのか。
A:供与、交付どちらも含むので、おっしゃる通りだろう。
G:我々が聞きたかったのは、寄付の行為者と資金の拠出者が違う場合、寄付の行為者だけでなく資金の拠出者も収支報告書にも書かなければならないのか? 資金の拠出者が違う場合であっても、記載しなくて良いのか?
A:拠出というのが、多種多様な世の中、形態がある。拠出という一語を持って、先生が考えているような結論になるかどうかは定かではない。
G:要するに、寄付をしたという金銭の移転という外形的行為をした人を書けということで、それ以外の人を書けとは政治資金規正法は求めていないのでは?
A:法律のことしか我々は言えないが、寄付というのはこういう定義で、寄付をした者を記載しろとなっている。
G:ということですよね。それ以外の人を書けとはなっていないんですよね。
A:寄付をした者を記載しなさいとなっている。
(苦笑)
G:その寄付をした者の意味は供与と交付とあるわけで、外形的に金銭を移転させる行為を自分の名前で行う場合……。
A:まあ、条文上は外形的にとは明文としては書いていない。金銭物品その他財産上の利益の供与または交付という風に書いている。
G:とすると、単純化して言った場合、Aという人がBという人にお金を渡して、Bという人が政治団体や政党などに寄付した場合、それを受け取った側は、もしお金が出ているのは実はBじゃなくてAなんだとある程度認識していた場合、どう収支報告書に記載すべきか尋ねられたら、どう答えるのか。
A:我々としては、寄付はこういう定義で、寄付をした者を記載してくださいと答える。
G:それ以上に、収支報告書に記載すべき人はこういう意味なんだとは教えないということ?
A:教えないというか、条文としてはここまでしか書いていないので、個々具体の資金の拠出の形態がさまざまあるのは容易に想像されますし、用件を我々が個々具体的に把握するのは不可能なので、法律上はこうなっているという紹介にとどまるしかない。
S:そうすると、形式が整っていることに行政、総務省としては関心を置いて法の運用をしていると理解してよいのか?
A:そこはですね、関心があるというより、非常に政治活動の自由と密接に関係しているので、行政府がこの政治団体の活動に一般的に考えて関与するのはいかがかという風に考えている。ですから、法律上の書類上の形式審査しか認められていないんだろうと考えている。関心がないというより、法律上、そういう権限しかないと。
(略)
A:補足して説明すると、基本理念、この法律の基本的な考え方は、収支の状況を明らかにすることをむねとし、これに対する判断は国民にゆだねる。適切に執行していくことが我々の考えだろうと。
G:その収支の状況を明らかにするというのが、どこまで求められているのかが分からないと、どうやっていいのか分からないということになると思うが。収支報告書を提出する方は。どう記載すればよいか疑問に思った場合は、どこに聞けば良いのか。
A:我々も法律に書いてある範囲でお答えする。
G:そのときに、非常に迷うと思う。資金の拠出者と寄付の外形的行為をした人が違う時には、どうしたらいいのかと聞いて、法律に書いてある通りと言われても、書きようがないとなってしまうと思う。これじゃ収支報告書我々書けませんと言われたらどうするのか。
A:収支報告書を作成するのは会計責任者なので、そこは法律の趣旨に乗っ取って会計責任者が判断してもらう。
G:会計責任者が、この法律上求められている義務がどういうことなのか分からないとなった場合、誰かに教えてもらわなければならない。どうするのか。
A:繰り返しになるが、我々としては寄付の定義を述べ、その寄付をした人を記載してくださいと言うにとどまる。
I:それはやっぱり寄付する人がそういう風にその趣旨に対してきちんと行動するということですね?
A:はい。2条2項に書かれているが、政治団体はその責任を自覚し、政治資金の収支に当たってはいやしくも国民の疑惑を招かないよう法律に基づき公明正大に行わなければならないという基本理念がある。そこに基づいて会計責任者が適切に判断してもらいたい。
S:じゃあ、自己責任でやってくれということですか? 罰則があるので、構成要件としての意味合いもありますよね? その法の解釈が。予測可能性が担当者の人には答えられない感じがするのだが。関連して29条に、報告書の真実性の確保のための措置とあるが、真実性とは何か。定義は。
A:実態に即して記載していただくということ。
S:実態とはどこまでが実態か?
A:実態を把握しているのが会計責任者。
G:まさにその通りだが、でも、何が求められているのか分からなければ、実態をどう表現していいのか分からないのでは。
S:だから、25条の虚偽記入の「虚偽」の概念がまさに問題になるのだが、そこをどうするかで刑罰を受けるかもしれないという、そういう制裁がありうるという中で(会計責任者は)記載しなければならない。(しかし)具体的な基準が示されていないことになるが。
(略)
G:本来どう罰則が適用されるかということは、政治資金規正法のルールの周知が徹底されて、それを守っていればいいんだけれども、意図的に守らない政治団体とか会計責任者がいれば罰則を適用しますよ、となるはず。ですから、行政庁が基本的にこうすべきだという解釈を示すべきだと思う。それがなければ、罰則の適用を捜査機関、司法当局がどうにでも解釈してしまう。まずは総務省として寄付が何を意味するのか、供与が何を意味するのか、交付が何を意味するのかという条文の意味を説明するのが普通だろうと思うが。
A:議員立法で、主たる改正も国会で議論されたという経緯を考えると、何というのか、政府提案の法律に比べると、言い難い部分があるが……。

*国会で遊ぼう! 鳩山総務大臣は何であんな頑張るの?2009/06/05

国会で遊ぼう!とは言っても、実際に電車使って見に行くわけにはいかないし、目の保養になる人たちがいるわけでもないから、映像を見るのは時間がもったいないし。

とはいえ、鳩山総務相は何で日本郵政の西川社長の更迭を強硬に求めているんだろう、ってなことぐらいは気に掛かる。テレビを見ると、自民党内で鳩山さんが四面楚歌の状況であることを伝えるだけ。新聞も同じ。どちらも何でそんなに強硬に鳩山さんが西川さん退任を求めるのか、そこのところは突っ込なまい。「かんぽの宿」だ何だとあれほど騒いだのにどうしてなんだろう?1万円で売却されたものが半年後には6,000万円なんて、誰だっておかしいと思うよ。というより、そんな美味しい話があるなら、俺だって乗りたい。

ってなわけで、国会議事録でもなんて思ったら、訪れる場所はココ。きっとどなたか紹介していることでしょうけど。

「国会会議録検索システム」ページ
http://kokkai.ndl.go.jp/

このページで「簡単検索」をクリックすると表示される「簡単検索-検索条件入力」ページで、「日本郵政」の「西川」さんに関する国会での「鳩山邦夫」さんの発言でも追ってみよう。国会での発言ということで発言内容に対する信頼性は高いし、マスコミとかのどうでもいいコメントなしに自分で内容そのものを判断できる。

「簡単検索-検索条件入力」
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_srch.cgi?SESSION=29963&MODE=1

とりあえず「発言者名」は「鳩山邦夫」、「会議名」は分からないので空白のまま、「検索語」は複数指定できるみたいなので、「日本郵政」と「西川」でやってみるかいな。「検索」ボタンをクリックすると、ヒット数7件でんな。で、「検索結果一覧表示」ボタンをクリックすると、表形式で出てきたのがコレ。

「検索結果(一覧表示)」ページに表示された一覧内容
No 回次 院名 会議名 号数 開会日付
001 171 衆議院 予算委員会 25号 平成21年05月08日
002 171 衆議院 総務委員会 12号 平成21年04月07日
003 171 参議院 決算委員会 2号 平成21年04月06日
004 171 参議院 総務委員会 5号 平成21年03月17日
005 171 参議院 予算委員会 7号 平成21年03月05日
006 171 衆議院 本会議 9号 平成21年02月12日
007 170 衆議院 総務委員会 6号 平成20年12月09日

スピードも悪くないし、まあまあの検索システムでなかろうか。ただ、この表の個別会議名をクリックしたときに出てくるページの「会議録(冊子)画像」ボタンをクリックして、イメージ表示したときに出てくるのがtiff形式の画像というのが、どうもいただけない。pdfテキストにすれば、簡単に他の方の発言内容と一緒にコピペ利用できるのに。まあ、最初の「国会会議録検索システム」ページの「衆議院」、「参議院」とかからHTMLテキストの会議録にはアクセスできるようだけど。

*犯罪者を増やす?政治資金規正法の適用2009/06/06

東京地検特捜部の政治資金規正法の「虚偽記載」の適用基準を考えると、考えれば考えるほど疑問に思うことが多い。小沢さんの大久保秘書は起訴、二階さんのところは不起訴。すでに多くの方が指摘しているが、現実問題として両者の間で何が違うんだろうか?そもそも地検がいっている「認識の有無」は、起訴、不起訴の分かれ目として説得力、正当性があるんだろうか?

もっと重大な問題として「認識の有無」を基準にした場合、例えば西松建設のダミー団体と検察が主張する2つの団体に寄付を行った西松の社員は、犯罪に荷担することを承知の上で寄付を行ったことになるのではないだろうか。こうした問題は、寄付をした西松の社員ばかりではない。西松と2つの政治団体と政治家の三者の間に入った個人・団体も犯罪に荷担したことになるのではないか。例えば、一般に、生身の人間が直接現金を抱えてこの三者の間を行き来したことはありえないだろうから、間に入った金融機関も犯罪に荷担したことになるのではないか。口座をその時々で変えたのでない限り、西松の2つの団体のカネの出入りを金融機関は把握していたはずで、大久保秘書が有罪になった場合、金融機関は犯罪に荷担しないように政治団体のカネの出入りをしっかりと把握し、検察のいうダミー団体の疑いが濃くなればすぐに当局に通報する責任があるだろう。もっと広げて、総務省はどうなるんだろうか。地検がダミーとして摘発した西松の2つの政治団体を認可したのは総務省で、政治資金収支報告を受けているのも総務省である。認可を出し、収支報告を受けている総務省には、それを調べる責任もないんだろうか。

つまり、地検が主張するように、西松の2つの政治団体をダミーと認識しうる立場にいた人は、西松の社員をはじめとして、かなりの数存在していたと思える。にもかかわらず、認識があったとして大久保さんだけを逮捕、拘留、起訴するのは、「国策捜査」とかは別に、著しく公正さを欠くと思える。また、大久保さんが政治資金規正法違反の「虚偽記載」で有罪となったとなると、「認識の有無」に基づく今回のような規正法の適用の仕方は犯罪者、少なくとも犯罪に荷担する人を増やすだけのように思える。

犯罪者を増やす?政治資金規正法の適用(補足)2009/06/06

犯罪者、少なくとも犯罪に荷担する人を増やすだけのような、大久保さんに対する東京地検の今回の政治資金規正法の「虚偽記載」違反の起訴基準。例えば、西松建設が発表した報告書の中に次のように供述したと紹介されている人は、自分の寄付先が西松の作った政治団体であることを明確に「認識」していたのではないか。そうでなければ、こんな供述はあり得ないだろう。

「平成7 年夏ころ、政治団体「新政治問題研究会」が設立されることとなった。献金を行う趣旨に関しては、工事の発注を得たいという積極的な動機よりも、受注活動を妨害しないでほしいという消極的な理由もあったと供述する者もいた。」(西松建設の報告書22ページ)
http://www.nishimatsu.co.jp/press/2009/20090515_2.pdf

だとすると、この供述をした西松の社員は、起訴された国澤さんと100%同じ罰条で逮捕、起訴されていいのではないだろうか。なぜなら、同報告書には次のように書かれているのだから。

「その後、上記の行為は、本来ならば当社の名義での献金をなすべきところ、政治団体という「他人名義」で献金したという評価も重なるものであるとして、「何人も、本人の名義以外の名義または匿名で、政治活動に関する寄附をしてはならない。」という罰条(同法第22 条の6、同第26 条の2 第4 号)も重ねて適用され、國澤及び大久保氏が公判請求されることとなった。」(報告書21ページ)

上記供述した西松社員と、他人名義で寄付したとされ起訴された国澤元社長とどこが違うんでしょうか。どこをどう読んでも、社員は「新政治問題研究会」が西松の政治団体であることを認識していて、そこに寄付したんじゃないでしょうか?供述した社員が独立した個人としてやったことは、現実の法律レベルでは、国澤さんと100%同じじゃないでしょうか?「政治団体という他人名義で献金した」ってことじゃないでしょうか?