日本が陥ってきた思考の罠 - 日米安保2009/07/07

すでに遅いのかもしれない。しかし、実態は米軍に占領されているとはいえ、少なくとも建前は日本は民主主義の独立国である。ってことは、選挙を通じて何かを変えるチャンスがあるってことだ。現実問題として戦後半世紀を超える自民党政権を変えるチャンスが俺たちにはある。横須賀、静岡の地方選挙によって、考えられなかった交代、変化が起きているのだ。

まだ俺の頭の中ではオバマさんの言った「Can Change」ではなく、「May Change」だけど、とはいえ、それだけでも、いろんなことが見えてくるような気がする。これまで陥ってきた「思考の罠」から抜け出せそうな気がする。これは俺ばかりでなく、おそらく多くの日本国民もそう感じ始めているのではないだろうか。俺たちはどんな「思考の罠」に陥ってきたのだろうか、陥らされてきたのだろうか.....

何と言っても「思考の罠」の最大のものの一つには「日米安保」が挙げられるだろう。例えば、次は有料記事も配信している「国際戦略コラム」で匿名のF氏が書かれている「3335.衆議院選挙での勝敗は」という記事からの抜粋である。

「外交問題は米国との関係を大きく見直すことになり、不安な点である。日米安保を堅持すると言っているが、米国に民主党は反米的であると見られている。日米安保は日本だけではなく、米国からも拒否できることを見過ごしている。自民党に何でも反対したことが、外交問題を引き起こしたように見える。」
出典:http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/210705.htm

これが書かれた目的は明らかだろう。オブラートに包まれてはいるが、これまで繰り返されてきた「日米安保の見直し=不安」という図式の押しつけである。しかし、これまでの現実を見ると、このFという方の見方は根本的に誤っていることが理解できる。「米安保の見直し」は、ずっと前の自民党が政権のときから隷属の深化という形で起きている。例えば、駐留米軍に対する「思いやり予算」とやらは1978年の62億円から始まり、1990年には1000億円を超えて、最近は次のようになっている。

1990年 1680億円
1995年 2714億円
2000年 2567億円
2001年 2573億円
2002年 2500億円
2003年 2460億円
2004年 2441億円
2005年 2378億円
2006年 2326億円
2007年 2173億円
2008年 2083億円

元々負担していなかったものを負担する。これを「見直し」と言わずに何と呼べばいいのだろうか。さらにいわゆる憲法9条でも、解釈の変更という形で「見直し」は進められている。イラク派兵、ペルシャ湾沖での給油など金銭的には「思いやり予算」と同じく米軍経費を負担するという形で。また自衛隊の活動としては米軍指揮系統下の下請け軍、傭兵という形で。

このように「見直し」はすでに起きており、政権交代が起きるかもしれない状況になって、これを問題視するF氏の意見というのは、米国が望む見直しは許されるが、日本が望む見直しは許されないと言っているのに等しい。これを「同盟」関係と言えるだろうか。主人と奴隷の関係、「隷属」関係そのものだろう。相手が望む形でしか見直しをすることが許されないのだ。

日本が陥ってきた思考の罠 - 日米安保(補足)2009/07/07

一体全体、安保反対/賛成という二者択一の設問はいつからあるのだろうか。もう何年も前から安保はあまりにも日常に組み込まれてきていて、反対という意見さえなくなってしまったようだ。あるいはマスコミから消え失せてしまったようだ。

安保賛成と言ったって、別に日本国内に米軍基地がなければならないという理由はどこにもない。現実に、同盟関係にあるからと言って、一方の国の軍隊がもう一方の国に駐留していない関係なんていくらでもあるだろう。調べてはいないが、親米と言われる中東諸国にしても、むしろ、その方が一般的かもしれない。グアムに移転すると言っているのなら、日本国内の基地をみんななくして、全部グアムに移って貰う選択肢だってある。

いずれにしても、「見直し」は相手が望む内容であることも、望まない内容であることもある。しかし、それは独立国同士の契約関係として当たり前のことである。もし、これを認めないなら、同盟関係でもなんでもない。単なる主人と奴隷の関係だろう。

日本郵政問題 - 真打ち登場2009/07/07

2008年度年次改革要望書の米国側評価なるものが出てきたようですね。米国のマスコミも単に言われたことを流すだけでしょうから、米国側の認識が分かって面白いかもしれません。日本郵政の保険関係で「ある政府高官」なんてのも登場しちゃうし。

[ロイター発]
米政府、日本に米国産牛肉輸入と保険市場の規制緩和を促進するよう要請=年次改革要望書
2009年 07月 7日 10:26 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS841554820090707

 [ワシントン 6日 ロイター] 米政府は6日、日米の規制・制度に関する年次改革要望書を発表し、米国産輸入牛肉および保険サービス市場の規制緩和を求めた。ただ、その他の分野における日本の市場開放措置に関しては一定の評価を示した。

 ロン・カーク米通商代表部(USTR)代表は声明で「米国産牛肉の輸入正常化および米保険業界に対する公平な参入機会の確保という2つの問題は、引き続き深刻な懸念である」として、日本政府に早期解決を求めた。

 日本は米国産牛肉の最大市場だったが、BSE(牛海綿状脳症)感染問題に伴い日本政府は2003年12月に米国産牛肉の輸入を禁止。その後06年7月に輸入を再開したが、BSEリスクが低いとされる生後20カ月以下の牛の肉に限って輸入を認めている。

 これに対し米政府は、国際的なガイドラインに準じて輸入牛肉に対する年齢制限を撤廃するよう日本政府に求めている。

 一方、世界で米国に次ぐ規模とされる日本の保険市場については、日本郵政グループが独占していると指摘。ある政府高官は記者団に対し、民間の保険会社に義務付けられているルールや規制に「日本郵政が十分に準拠していないことを示すかなりの証拠がある」と述べた。

 半面、製薬・医療機器に関する規制見直し加速に向けた新たな取り組みやインターネット上での著作権侵害に関する法的整備の強化、米園芸輸入品に対する新検査体制の確立など、その他の日本政府の規制緩和措置に関しては、一定の評価を示した。

 08年における日本の対米貿易黒字は727億ドルに上る。 

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細かい部分は機会があればということにして、最後の「08年における日本の対米貿易黒字は727億ドルに上る」がおかしいですね。米国の対中貿易を見ても分かるように、元々米国は自分たちで自国産業をアウトソーシングして、取引額では相手が黒字、儲けの方は一杯献金してくれる自国の方々の懐に入るようにやっているわけですから。

とはいえ、規制緩和を求める根拠というのが未だに貿易黒字なんてのも、あまりにも馬鹿らしくて、笑っちゃうというか。統計上、日本や中国が貿易黒字になるのは当たり前ですね。貿易黒字・貿易赤字なんて表の輸出・輸入額の比較にすぎないわけで。