自公共「守旧勢力」のあがき2009/07/12

誰が言い出したのか、郵政民営化の頃によく出てきた「守旧勢力」。この分類からすると、大多数の国民にとって現在の守旧勢力は自公になるに違いない。このうちのどのぐらいの割合の方がはっきりと認識されているかわからないが、米軍占領下で腐ってしまった戦後体制。日本が米軍占領下にあることを認識していないとしても(認識はなくても米軍基地がそこらじゅうに散在していることは厳然たる事実である)、米国法に流れるAt-Will Employment(契約関係があったとしても雇用関係をいつでも自由に破棄できる)の原則にそっくり従ったような小泉、自公政権下の労働者派遣法改悪によって、将来国を担うはずの若者の非正規雇用の割合が3割、4割にもなれば、さすがに、これでは国が、日本社会が持たなくなると思うに違いない。彼らの大多数が良くて月給15万前後、技術や知識、伝統の継承も行われず、自活などしていれば、若者がそのうち脱落していくことは目に見えていたし、現実にそうなっている。こうした若者を含めて日本の将来のために使われるべき100兆を超える日本国民のオカネが米国債など米国のために使われてしまっている。

こんな状況を守ろうとするのは、築いてきた利権の維持に一生懸命の自民党と公明党だけだろうと思いきや、最近は共産党までその方向の動きが露骨になっている。企業が政治家に献金するのは、政治家からの見返りを期待してというのが共産党の一貫した考え方だから、この考え方を敷衍すれば、このひどい現状を維持しようとするのは、それで得する何かが共産党にあるからなんだろう。政治献金問題にしても、共産党が攻撃するのほぼ小沢さん、鳩山さん、民主党だけ、自民党の二階、与謝野議員などおまけ程度である。ましてや検察の恣意的な捜査を問題にすることなどまるでない。それは赤旗の論調、記事の見出しを付け方にもはっきりと出ている。

共産党員あるいは支持者と思われるブログや掲示板の投稿には、この共産党の傾向がハッキリと出ている。例えば阿修羅で共産党系と思われる方が取り上げていた次のブログ記事は、その一つと見なしていいだろう。政権交代と支持している元外交官、天木直人さんを攻撃したものだ。

「これはひどい! 馬脚現したか天木直人、橋下・東国原を公然と応援」 from kojitakenの日記
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090710/1247228354

このブログ記事を見ると、あがきもここまで来たかと思わざるを得ない。本人が紹介している天木さんの文章を読んで、どこが「これはひどい! 馬脚現したか天木直人、橋下・東国原を公然と応援」になるのか不思議で仕方がない。天木さんはこう書いている。

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それぞれの政党はそれぞれの思惑がある。メディアもまたその思惑にそって報道する。そして橋下や東国原個人の思惑もある。

 しかし、それらはいずれも世論をみて動く。最後は世論が決めるのだ。

 そうである以上、われわれ国民がなすべきことは橋下、東国原の動きを、世論の声で正しい方向に導いていく事だ。国民にとって好ましいき姿にもっていく事だ。

 この騒ぎを、単なる自民、民主の人気取りだと茶化したり、橋下や東国原のパフォーマンスと切り捨てるだけでは問題の本質を見誤る。ましてや小泉劇場の再来などとおそれてはいけない。

  私は橋下、東国原の動きは、本物の「地方主権」を目指すものだと思っている。 彼らの語る言葉はこれまでの政治家の言葉とは違う。

  そうだとすれば彼らの動きを国民の動きとさせなければいけない。

出典: 天木直人のブログ - 国民は世論の力で橋下、東国原知事に圧力をかけて正しく導いていくべきだ
http://www.amakiblog.com/archives/2009/07/09/#001428
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つまり、天木さんは、現在の彼らの動きを正しい方向ではないと考えており、だからこそ、、「世論の声で正しい方向に導いていくべきだ」と主張しているのだ。個人的には、二人に対する天木さんの見方に違和感を覚えるが、しかし、これまでのところ自民党寄りと思われるこの二人をも世論が味方につけなければいけない、という考え方は理解できる。

マスコミと協力して官僚、自公民が公然と民主党たたき、反政権交代活動をやっている以上、今回の選挙で民主党などの勢力が選挙で勝っても、多くの国民が望むような形で政治がちゃんと機能するとは思えない。守旧勢力のものすごい抵抗があるだろう。機能するようにするには、自民党寄りと思われる彼らをも味方に付ける世論が必要、と主張しているのだ。こんな程度の主張が、どうして「これはひどい! 馬脚現したか天木直人、橋下・東国原を公然と応援」になるんだろうか。主眼が、これまでの橋下・東国原両氏に対する応援にないことは明らかではないか。

今日は都議選の投票日。残るは衆議院選。いずれにしても、日本の有権者の自らの意思で政権交代が起き、現在の腐った戦後体制の向こうに何かが見えるようになるかもしれない。米軍の占領下にある日本の現在の状況が腐っていると感じ、思い、これを何とかしたいと考えるのであれば、右とか左とか関係なく、とりあえずは国民が政権交代の行動をすることが現実的な選択肢ではないだろうか。このまま官僚、自公政権に任せていても、何の展望もない。大多数の日本国民は新しい風を必要とし、その風を自らの手で吹かそうとしている。

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