悲しき戦後 - 従軍慰安婦2009/08/08

原爆の他にも、日本人として何か変と思うことは多々あったことが思い出される。例えば従軍慰安婦問題。争われるのは、ほぼ「あった」「なかった」のレベルで、残念なことに他の視点で従軍慰安婦問題が争われるのを目にしたことがない。

しかし、従軍慰安婦というのは、それほど大騒ぎするほど問題なのだろうか。直接的な表現を使うのを許していただきたいが、占領地における前線兵士の性処理の観点からすれば、慰安婦というのは当然あるものと思えるのだ。性処理施設がなければ、前線兵士が現地の女性を襲うなどのことが憂慮され、兵士に任せておくことなど出来ない問題だ。長らく見ていたイラクでは、現実問題として、基地内で襲われるために米軍女性兵士が夜のトイレを避け、膀胱炎になったというニュースもあったし、妊娠する例も多いし、現地の女の子に夢中になって、拒否されたのか、家族ともども殺してしまったと思われる事件もあった。そもそも反発をする韓国でさえ、朝鮮戦争では、米兵のための慰安婦施設を持っていたという報道がある。

Ex-Prostitutes Say South Korea and U.S. Enabled Sex Trade Near Bases
(韓国と米国によって基地近くでの性取引が可能になったと元慰安婦が証言)
http://www.nytimes.com/2009/01/08/world/asia/08korea.html

さらには、戦中の朝鮮や中国の経済の問題もある。女の子を食べさせていくだけの仕事、経済力が中国、朝鮮の一般の人たちにあったのだろうか。少なくとも韓国で売春施設が廃止されたのは、ほんの数年前のことだ。米国による侵略でイラクを脱出した家族たちの女の子はシリアで売春をしている。他に生きていく方法がないのだ。日本だって戦後「パンパン」と呼ばれる人たちを大量に発生させた。

売春婦斡旋というのは、現在の日本の人材派遣業と同じで、やたら儲かる商売だろうから、当然、現地の商売人が騙して連れてくるという例もいくつもあったろう。政府自体がその後押しをした形跡もある。騙された方たちが、騙されたといって訴えるのも、また当然のことだ。望んでもいないのに、騙されて一日に何人、何十人も赤の他人の性処理の相手をさせられたら、たまったものではないだろう。

日本において、慰安婦問題をくだらなくしているのは、いわゆる「親米右翼」という連中がことさら反中国、反朝鮮と結び付けることが原因と思われる。つまり、「親米」という傘に入るよう、日本人向けに反中国、反朝鮮を焚きつけているということだ。これは日本にとって得策ではない。日本を誤解させ、隣国のの関係を悪化させる原因になる。

やられた方はなかなか忘れないだろうから、もし執拗に従軍慰安婦の問題を持ち出す人がいたなら、単純に、自国兵士が敵国に長期に渡って駐留したとなったら、あなたはどうしますか、と問えばいいのではないだろうか。俺には、どこの国も同じことをやるように見える。実際起きていることを見ていると、現実にそうである。あまり長くなると現地女性を襲うことが予想されるので、そのぎりぎりの期間で配置転換するという方法もあるだろう。しかし、それが出来ないケースも出てくる。少し前のイラクでの米軍のように。その場合は、駐留期間が長くなるのに応じて、状況は悪化し、旧日本軍のようにそんな我慢の限界さえも考慮しない作戦をとれば、状況は最悪になる。

変な「親米右翼」の言うことより、この小野田さんの意見は占領国側の意見としてごく普通の見解と思える。

小野田寛郎 - 私が見た従軍慰安婦の正体
http://www4.airnet.ne.jp/kawamura/enigma/2005/2005-01-16-onoda_ianhunoshoutai.html