*「影の金融システム」 - オバマは米国版コイズミ?2009/08/16

"Shadow Banking System"。日本では報道されることもなく、ブログでもほんのわずかな人が取り上げただけの、この発言は、今年3月3日、オバマさんと会談した後のイギリス、ブラウン首相が言ったものだ。この記事によると、似たようなことはオバマさんも3月4日のWeekly Addressで発言したようで、一部の人は、記事の見出しにあるように「Outlaw the Shadow Banking System!」という形で期待を込めた。

「In other words, I know these steps won’t sit well with the special interests and lobbyists who are invested in the old way of doing business, and I know they’re gearing up for a fight as we speak. My message to them is this:"So am I."」(これらの対策は旧来のビジネスのやり方の利益、ロビー団体とは折り合わあず、そうした団体は、こういしている間にも戦いの準備をしていることを知っている。彼らに言いたいことは、「自分もそうだ」ということだ。)
Guess Who Said, "Outlaw the Shadow Banking System!"
http://matrixnewsnetwork.com/breaking-news/88-business/1281--guess-who-said-qoutlaw-the-shadow-banking-systemq.html

しかし、この発言が、オバマさんのものとはとても信じられない状況になっている。現実には、オバマさんは、彼の言う利益団体、ロビー団体を動かしたゴールドマン・サックスの卒業生に囲まれて、金融政策を任せっきりの状態なわけだ。だからこそ、ゴールドマン・サックスなどの一部金融機関に対する無条件の税金投入も行われてきた。

では、会談後のオバマさんとの共同会見でのブラウンさんの「Shadow Banking System!」という発言は、どういう脈絡で出てきたのだろうか?「影の金融システム」と言えば、当然のことながら、タックスヘブン、さらに進んで今回の金融バブルを演出した国際金融資本を思い浮かべる。そのことを指しているのだろうか。しかし、この全文を読むと、どうも話は違うようだ。

REMARKS BY PRESIDENT OBAMA AND BRITISH PRIME MINISTER GORDON BROWN AFTER MEETING
For Immediate Release March 3, 2009
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-President-Obama-and-Prime-Minister-Brown-after-Meeting/

さらに、この中でオバマさんは意図的かどうか分からないが、とんでもな間違いを言っている。ブラウンさんの「Shadow Banking System」発言は、このオバマさんの間違いを受けて出てきた。

「世界のたいていの国の金融規制システムは、依然、前回の最大の危機から考案された1930年代のシステムのままである。」

だから、米国も金融機関や規制の枠組みを新しくして、グローバル化の力が一般の人々の恩恵になるようにされなければならないと言っている。米国の規制は1930年代にできたものではない。金融機関を規制していた1930年代のグラス・スティーガル法は1999年末に金融サービス近代化法によって廃止されている。だからこそ、CDSという元手なし保険業が可能になり、その主役AIG救済のために多額の税金が投入され、その税金が保険金として他のゴールドマンなどの金融機関に流れた。

ひょっとして、オバマさんは米国版コイズミかもしれない。その可能性がとても高い。とともに、イギリスの動き、アメリカとの力関係が非常に気になる。米国金融を裏で動かしている最大勢力は、ひょっとしてイギリスではないのだろうか?CDSの産みの親とされるAIGの金融部門もイギリスにあった。

エロサイトへの誘い2009/08/16

今日はまだないみたいだけど、この間は大量のコメントがあった。一部を除いて、エロの大量コメント。管理人を通さなければ表示されない設定にしているので、一発削除で始末している。同じことをやられている方もいるようで、痴漢事件で収監されることになった植草一秀さんの件で獅子奮迅の活躍をされている高橋博彦さん。ただ、高橋さんなどはもっと深刻。

植草さん支援者に忍び寄る奇妙なできごと!! その2
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2009/08/post-953f.html

エロサイトに誘うコメントが大量につくときの共通点。あるよなあ、やっぱり。で、紹介されるエロサイトで思い浮かべること。このエロサイトを運営している連中は、どんな連中じゃろうか?やっぱり、あの筋。あの筋と関係あるのは、この筋。

*「影の金融システム」 - 現在の状況2009/08/16

ゴールドマン・サックスをはじめとする、税金で救済された金融機関がいち早く利益を計上し、税金を返済し始めというニュースは皆さんご存じだろう。

米ゴールドマン・サックス、第1四半期は好決算 増資で公的資金返済へ
http://www.afpbb.com/article/economy/2592390/4030400

で、実体経済の方はまるでダメで、連邦政府ばかりでなく、税収の大幅な減収を受けて財政難の州は40州を超えるとされ、カリフォルニアをはじめとして財政破綻が噂される州もいくつもある。で、オバマ政権、連邦政府は助け船を出さない。しかし、税金で救済され、AIGへの救済資金から税金が回ったゴールドマン・サックスなどのほんの一部の金融機関にはカネがある。所得格差も広がりばかり。

ここから考えられることは、行き着くところ、これしかないんじゃなかろうか?

金融機関が州政府の株主になる。株主と言って正確でなければ、例えば、1990年代後半、通貨危機に見舞われたタイなどのアジア諸国にカネを貸し出すことによって、その国の主人になったIMFと同じ役割を金融機関が果たすってことじゃないだろうか。通貨危機に見舞われたアジア諸国、中南米諸国がどうなったか、米国民も学んでおいた方がいいかもしれない。いや、道州制などと訳の分からないことを言い出している俺ら日本国民もまた学んておいた方がいいかもしれない。

これこそが、新自由主義の最高形態と思える。金融機関あるいは企業が政府を運営する。その第一歩は弱小国であり、そして米国州政府が視野に入ってきている。ベネズエラのチャベス大統領が米国に嫌われる理由がよくわかる。

ベネズエラ、IMF・世銀から脱退へ
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/070501/7005.html