萎みつつあるオバマ幻想2009/08/22

「Change!」だとか「グリーン・ニューディール」とか、いろいろ言って米国大統領になったオバマさん。日本では相変わらずオバマさんを英雄視する風潮がある。まあ、米国初めての黒人(?)大統領ということで海のこちら側から期待を寄せるのは理解できるが、米国内でも人気は凋落してきている。やはり政治は結果。実際の動きを見てみるのが一番ではないだろうか。思い出すに、「Change!」を掲げたのに、オバマさんのやってることって変だよなあということが、いくつかあった。誰でも知っているであろうことと、そうでないことがあり、挙げてみると。

・ 財務長官はブッシュ政権からの人脈を引き継いだ。ブッシュ時代のポールソンは元ゴールドマン・サックスのCEO。後を継いだガイトナーは元ニューヨーク連銀総裁で、国家経済会議議長のサマーズと並んで、これまた元ゴールドマン・サックスCEOのルービンの子分と言われる人物。
・ 国防長官はブッシュ政権のロバート・ゲーツのまま。

つまり、米国民の税金の使いまくりトップ2の財務省と国防省のトップはまるで同じか、同じ系統の人物である。

・ オバマさんが大統領になる前、イスラエルでは、リクード党のナタニエフが首相になった。ユダヤ人とパレスチナ人の2国家建設共存とか、入植地建設に反対とかの話が出るが、そもそもリクード党はヨルダン川以西のパレスチナ人国家建設を認めないことを綱領にしている党である。そんな党のナタニエフが「パレスチナ国家建設支持」と言ったことがニュースになるなんてこと自体が、ブラックジョークの世界。

The Government of Israel flatly rejects the establishment of a Palestinian Arab state west of the Jordan river.
出典:Likud - Platform
http://www.knesset.gov.il/elections/knesset15/elikud_m.htm

まあ、オバマの言っていたことは本当なのかどうかは、彼の名の下で発表された予算教書、議会で審議されている予算案を見ると一番いいのかもしれない。彼の主張は実際に来年度予算に反映されているのか...?

これについては、かなり前にGlobal Researchに発表されたMichel Chossudovskyの論考がかなり本質を突いていると思われる。彼によれば、オバマの来年度予算配分は、戦争とウォールストリートのための予算であり、その他はとんでもない緊縮予算。米国のニュースを見ると、どうもそれが事実のようで、わずかな差ではあるが、米国民の過半数を超える人たちがそのことに気付き始めたようだ。

America's Fiscal Collapse
(アメリカの財政破綻)
http://globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=12517
(Chossudovskyさんの分析については、何とか時間を作って取り上げたい。)

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_ マスコミに載らない海外記事 - 2009/08/26 00:36

Chris Hedges 2009年5月5日 Truthdig バラク・オバマというは一つのブランドだ。そして、オバマ・ブランドなるものは、企業の大立者連中が財