ガンタナモが語る深い闇?2009/11/01

ガンタナモというと捕虜収容所。そこで問題になっているのは、もっぱら収容者に対する拷問虐待である。人権団体やマスコミが突っ込むのも、不当な拷問虐待と軍事裁判の問題に集中している。

グアンタナモ拘束のアルジャジーラカメラマン、6年ぶりに釈放
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2386258/2890618
グアンタナモから釈放の男性、秘密移送と拷問からの解放
http://www.afpbb.com/article/politics/2574800/3850239

拷問虐待や軍事裁判の不当性はもちろんなのだが、これはそんなレベルの問題だろうか。俺には、いわゆる人権団体もマスコミも、明らかに本質的な問題を避けているように見える。

ガンタナモの収容者で白人はどのぐらいいるのだろうか。当初は明らかに証拠がある白人は収容されていただろうが、現在は恐らくゼロではないだろうか。意外と思われるかもしれないが、俺が恐ろしいと思うのは、大した証拠もなしにガンタナモに連れて行き、拷問虐待して何もなかったかのように釈放することである。そして、そのことについて、俺が知る限り、最高責任者が謝罪もしないことだ。

これは、どういうことだろうか。米国はちゃんと取り調べをしたという見方をする人もいるかもしれない。しかし、そうであれば、彼らを拘束した国、現地で取り調べをすることだってできたのだ。野良犬のようにガンタナモに連れて行って、5年も6年も収容する必要はなかったのだ。

ブッシュらがこんなことをなぜ平然として命令し、できたか?またオバマもできているのか?

俺は、答は一つしかないと思うのだが.....

再びゴールドマン・サックスのお話(加筆)2009/11/02

今や米国政府を乗っ取った感のあるゴールドマン・サックス。この集団がやってきたことを米新聞大手のマクラッチーがかなり詳しく追っている。すでに古い話になった感もあるが、いやはやゴールドマン・サックスという金貸しはスゴイ。

「数年をかけて数十万件のサブプライム住宅ローン抵当権を購入。その多くは、業界では評判の芳しくない貸付業者からのもの。で、それを高利回りの証券にしつらえた。その後、市場が底抜けしたので別の役割を見出した。一般の人たちから家を取り上げる役割。」
Goldman takes on new role: taking away people's homes
http://www.mcclatchydc.com/227/story/77841.html

今までの情報とこの記事の内容で、起きたことを時系列にまとめるとこうなる。

1.悪徳ローン業者からサブプライムローンの抵当権を数年掛けて数十万件購入。安く買い叩けるから。
2.パッケージにして高利回り証券として売り出し。その際はトリプルAの格付けするようムーディーズを買収。
3.抵当権を子会社に回して、家を取り上げ。

つまり、ゴールドマンはほどなく債務不履行に陥りそうな人の住宅の抵当権を数年の間買い漁っていた。その数、数十万件。抵当権を持っているから、ローンの債務不履行になった場合は、もちろん、ゴールドマンが処分できる。

住宅ローンをまとめて、高利回り証券として売り出すのと並行して、ムーディーズなどの格付け会社を買収して最高の格付けを得る。ほどなく住宅バブル崩壊で、住宅ローンの債務不履行はうなぎ登り。ゴールドマンが直接差し押さえたのでは、さすがに問題が大きいと思ったのか、別会社(子会社)に抵当権を売り渡して、その子会社が住宅差し押さえ、競売。

つまり、販売した住宅ローン抵当証券で先ず儲けて、その抵当そのものは自分たちが持っているから、別会社に売ったことにして、住宅差し押さえ、競売。ここで第二段階のカネ儲け。

ポイントは、ゴールドマンが売り出した証券というのは、文字通り、住宅ローンの支払いに対する証券ってことなんだろうね。住宅そのものに対する証券じゃない。だから、いつだったかドイツ銀行が裁判所に住宅差し押さえの申し立てをしたけど、証券は住宅のそのもの抵当を対象にしているわけじゃないから却下された。だから、一般的に流布している「住宅抵当証券」ってのも巧妙な嘘ってことになるのかな。住宅そのものに抵当が入っているんじゃなくて、単に住宅ローンの支払いに抵当が入っているってことだよね。

もしこれが事実だとすると、完璧に犯罪を構成するんじゃないのかなあ?詐欺じゃないの。破綻すること分かっていて抵当権買って、それを証券化して売って、抵当権は手元にあるから、それで今度はまた金儲けだもんなあ。

いやあ、この記事と合わせて考えると、ホントえげつないというか。日本ってこんなの相手にしてんだよなあ。実体経済の取引以外の金融取引は、利益ではなくて、取引自体に課税ってのが一番いいと思うんだけど。基本的にバクチそのものだもんなあ。

米国政府はゴールドマン・サックスのATM?
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2009/10/29/4660673

サブプライム問題で流布された嘘2009/11/03

「再びゴールドマン・サックスのお話(加筆)」の中でも書いた通り、サブプライム問題で誤解が横行している点がある。ドイツ銀行は07年にサブプライム証券の損失を穴埋めしようとして、ローン債務者の住宅の差し押さえを裁判所に求めた。しかし、その担保権の証書がないために敗訴した。これを見て、田中宇さんでさえ次のように書いている。

「逆に、ローンの借り手の方は、金を返さなくても家を没収されずにすむことになる。人々はローンを返済する気がなくなり、ますます債務不履行が増える。」
出典:深化するドルの危機 from 田中宇の国際ニュース解説
http://www.tanakanews.com/071204dollar.htm

しかし、これはあり得ないだろう。ゴールドマン・サックスなどのモーゲージ証券が抵当権証書を担保にしていないだけのことで、実際にはローンの借り手の物件は担保にされていたのだ。担保なしに何千万というカネを貸す金貸しなんているだろうか。事実、ローンの支払いのできなかった人の家は差し押さえにあうか、ノンリコースだから、自分から家を出ていっている人もいる。

ゴールドマン・サックスのやったことの巧妙さ、ずる賢さはここにある。英語でよくMortgage-backed security(MBS)とよく出てくるが、これは実質的にはローン債務者のローンの支払いのみを対象にした証券であり、mortgage(抵当権付き住宅ローン)に対する証券ではないのだ。つまり、日本語に訳されている不動産担保証券でもなく、担保が何もない証券なのだ。マスコミばかりでなく当時の報道、さまざまな資料を見ると、あたかもローン債務者が支払いをしないで、そのまま住宅を手に入れられるようなことが書かれている。これは嘘であり、プロパガンダの臭いがする。

こうなると、サブプライム問題の何が最大の問題かが分かるのだろう。問題は、ゴールドマン・サックスとかが販売したモーゲージ証券に抵当権証書など担保規定がなかったのであれば、誰がローン債務者の住宅の抵当権証書を持っていたのかということである。なぜ、そんな証券にトリプルAなどという格付けがされたのかということである。

再びゴールドマン・サックスのお話(加筆)
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2009/11/02/4669724

森田実さんのくだらなさ2009/11/05

阿修羅政治版に仁王像さんというハンドル名の方が政治評論家の森田実さんのブログ記事を紹介されていた。

森田実の言わねばならぬ【872】
平和・自立・調和の日本をつくるために[867]
《新・森田実の政治日誌》[「小沢独裁」への抵抗宣言]民主党は、11月2日の衆議院予算委員会における自由民主党の加藤紘一元幹事長の発言に謙虚に学ぶべきである/「小沢独裁」下で新人議員は「拍手要員」化「投票マシーン」化している/民主党新人議員よ、諸君は誰のために政治家になったのか/諸君を選んだ有権者が後悔し始めていることに気づくべきである/国民は拍手・ヤジ・投票のマシーンを選んだわけではない
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05791.HTML

何となく読んでいるともっともらしいのだが、もっともらしい言葉をちりばめただけで、何も言っていないのと同じというか。これは記事に書かれていることがどういうことか、具体的に想定していくとすぐにわかる。たとえば、森田さんは「11月3日付東京新聞朝刊の「発言」欄のトップに掲載された〈新人議員も役割果たせ〉と題する読者(東京の北村さん)の声」とやらを紹介している。

「《民主党の事業仕分け人選で、新人議員は研修が優先、新人議員の最大の仕事は次の選挙に当選することだと小沢一郎氏は発言しています。こんなに国民をないがしろにした考えはないと思います。」

どこが国民をないがしろにしているのだろうか?新人議員が2ヶ月もたたないうちに何かできると誰が思うだろうか。そんなことは、会社勤めをしたことがない人でもわかるだろう。新人議員が最初にやるべきことは、やりたいことがあったとしても、そのやりたいことが国会という場で具体的にどうすればやれるようになるのかを知ることである。会社でも、どの程度の能力があるかも分からない、さらには仕事の進め方も知らないかもしれない人間にプロジェクトを任せるアホはいない。大体は、誰かの下につかせて学ばせる。そして、これは民主党の責任である。

そして、その新人議員がちゃんと学んだかどうか、議員として力を付けたかどうかを判断するのは選挙民であり、それが証明されるのは、小沢さんの言うように「次の選挙に当選すること」なのだ。であるからには、選んだ選挙民の側も、自分の思う基準に達する活動を新人議員がしているのかどうか見ておくことが求められる。「小泉チルドレン」とやらは今回の衆院選挙でどうなったか?ほぼ壊滅である。おそらくは研修らしい研修もなく、何も学ばなかったのだろう。ここでも自民党は新人議員を育てるという責任を放棄していたと考えていいだろう。

こう書けば、少なくとも現時点で森田さん自身が言う「新しく議席を得た民主党議員は、選挙区の有権者の期待に応えなければならない。」がいかにアホなことを言っているか、もっともらしい言葉の羅列であるかが分かるだろう。「新しく議席を得た民主党議員」は「期待に応え」る前に、議員としてどうやったら期待に応えられるのか、まずその具体的な方法を知るという作業を求められる。森田さんの言うヤジなんて、目に余るなら委員会室強制退去などの罰則規定を設ければいいだけである。

森田さんも何を言っているんだか分からないことを書く前に民主党新人議員のブログでも読んで、彼ら個々人が実際に何をやっているのかを知った方がいいだろう。例えば話題になった長崎選出の福田衣里子さん。森田さんに言わせると、この福田さんも「ヒトラーの親衛隊」の一員ってことになるのかもしれない。

「3時半より小沢幹事長と面談し、肝炎法案の成立に向けて、まだこれからの段階ではありますが、光が見えてきたように感じます。これから、与野党すべての議員の力をお借りし、成立に向けて頑張って参ります。」
衆議院議員(長崎県第2区) 福田衣里子のブログ
http://blog.livedoor.jp/ennriko555/archives/51294238.html

松沢、仲井真知事はアホ?田舎者?2009/11/06

情けないことに、おいらが県のこの松沢神奈川県知事、加えて仲井真沖縄県知事は頭がおかしいんじゃなかろうか?国がいろんなオプションを考えてやろうとしているのに、何を血迷っているんだろうか?だいたい国民の税金を使ってやることなのに、たかだか県知事のお前らがアメリカくんだりまで行って言うことかっての。

松沢知事、普天間県外移設は不可能
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4276759.html

しかし、アメリカ政府側も、何の権限もないこんなの相手にするわけないよな。どこで、こんなつまんないこと言ったんだ。ありました、ありました。日経の記事に。アホの二乗って感じですね。アメリカ発にすれば、ハクが作ってか?マスコミ共々、田舎者丸出しの発想。

「ワシントン市内で開いた大学主催のセミナーで講演」
日経:普天間問題、早期決着「最優先に」 沖縄・神奈川知事
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091106AT2M0601906112009.html

政府間では、もうオバマさん来日時、基地問題の対立は避けましょう、ってなってるみたいだけど。これで、二人の知事はアホ三乗になってしまいましたね。

「Washington has notified Japan it will not press for a decision by Obama's November 12-13 visit, but wants a resolution to the dispute by the end of the year, the Nikkei newspaper said.」
Reuter: Japan, U.S. to avoid bases feud for Obama visit
http://www.reuters.com/article/politicsNews/idUSTRE5A50BN20091106