朽ちゆく国を当てにする?(加筆)2009/12/18

今回の普天間基地移転問題にしてもそうだが、マスコミをはじめとして、かなり多くの人が米国はまだ安泰ということを前提に議論を進めているように見える。もしそうであるなら、なぜオバマはノーベル賞受賞演説で国際社会の支援を求め、さらにはNATO諸国にもっと兵を送るようにもとめたのだろうか。

ノーベル賞・オバマの戦争:同盟国へ戦費・増援か!
http://kyoto-seikei.com/09-1202-n4.htm

さらに米国かr直接ではないが、ブッシュ時代にはポーランドなどにMDシステムを配備し、包囲する予定だったロシアに助けを求めるというのは、どういうことだろうか。

ロシア大統領にヘリ供与要請、アフガン情勢でNATO事務総長
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200912170033.html

また、オバマはタリバンとの戦いと言い、米国民の税金を注ぎ込みながら、その当のタリバンに業者が「みかじめ料」を払っている現実は何なんだろうか。

Congress investigating charges of 'protection racket' by Afghanistan contractors
(議会、アフガニスタンの業者による「みかじめ料」を調査)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/12/16/AR2009121604126.html

日本の報道を見ると、いかにも米国がイランとかを脅しているように見えるが、実際にはイランの方が挑発しているように見える。さらには中国もカネを貸して、「もっとやれ」とけしかけているように見える。つまり、米国の没落はすでに視野に入っているのだ。他の国から無理にでもカネを集めなければ、自分たちの軍隊、海外基地を維持できない状態になっている。今はただカネを刷って維持しているだけだ。

米軍が日本からいなくなったら、なんて心配するのももっともだが、それ以前に米国は軍そのもの、軍事基地を維持できるのかを考える必要がある。また、軍まで民営化してしまった米国は、オバマの米兵3万人の増派ばかりでなく、傭兵を5万人増派するという。

Afghanistan Escalation Ramps Up Contractor Presence
(アフガニスタンの戦線拡大は、傭兵の増派でもある)
http://www.thenation.com/doc/20091221/scahill_video2

こういった動きから結論づけられることはなにか?落ち着いたように見える態度と違い、オバマを初めとして米国はもう死に物狂いの状態ということだ。そして言うことやることにまるで一貫性がない。オバマは単なる大統領を演じる役者であり、裏の方ではぼろぼろなのだ。

俺の会社にもいたが、借金漬けになり、みんなに知られないように高価なものを身につけて、見映えだけはよくしている。それが現在の米国だ。アウトソーシングによって産業を捨て去り、楽な金儲けを覚えた連中がそれほど簡単にやり直せるものではない。恐らくは教育のせいだろうが、おまけに米国民には宗教的とも言える選民意識があり、自分たちを客観的に見る精神的土壌が欠けている。

こんな国にいつまでも守ってもらおうと考える方がどうかしている。どの道をいくか、経済ばかりでなく、外交軍事の面でも日本は本当に正念場に立たされている。