企業団体献金全面禁止が「唐突」でなくなった理由2009/05/29

実を言うと、大久保さん逮捕の後、企業団体全面禁止を小沢さんが言い出したとき、俺は「すり替え」とは思わなかったが、「ずいぶん、先に行っちゃったなあ」というか、いずれにしても「唐突」な印象を持っていた。俺自身、企業団体献金に対して「規制」(「規正」ではない)は必要なものの、全面禁止なんていいんだろうか?と思っていたからだ。しかし、党首討論での鳩山さんのこの意見を聞いて納得した。鳩山さん、小沢さん、民主党の論理的な帰結としては、「企業団体献金全面禁止」しかないということが。

「ただぜひ、企業団体献金は我々、すり替えの議論をしているつもりはまったくありません。李下(りか)に冠を正さずという言葉をお送りしておきたいと思いますし、ぜひ、正しいことをやっていた、全部オープンにしていた、でもそのことによっても逮捕されてしまった。ならばその元を断たなきゃいけないでしょ、と。」

党首討論:詳報その10 鳩山代表「あまりにもめちゃくちゃな補正予算」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090527mog00m010036000c.html

小沢さんが企業献金であれ政治団体献金であれ、入りを全面的にオープンにしていることは、鳩山さん自身も納得したのだろう。単純に数字の問題で誤魔化せることではない。誤魔化したら、それこそ違法ということになる。でも、その「入りをオープンにしている」ことによって小沢さんの秘書、大久保さんは逮捕されてしまった。そうなると、残る方法は何か?いらぬ疑いをかけられないようにするには、どうしたらいいか?鳩山さんの言うように「企業団体献金全面禁止」にするしかないのではないか。

だから、どのぐらいの大きさで報じたか分からないが、朝日が報じた小沢さんの意見は理屈としてきわめて納得できるものと思える。俺たちは「公共事業」というと土木建設しか頭に浮かばないようになっているが、結果的にどうであれ、「税金を特定の業界・企業に使う」というように意味を広げると、中央地方政府との取引はすべてが「公共事業」であり、今回の自公政権が出している補正予算は「一部電気自動車業界・官僚OB」に対する「公共事業」と言えるだろう。

「党内で検討されている公共事業の受注企業からの献金禁止については「ほとんどの企業が国や都道府県、市町村と何らかの形で関係あるから、公共事業でもって仕分けはできない」と指摘し、「今度の問題を教訓とすれば、企業・団体献金を禁止するならいい」と踏み込んだ。 」

小沢氏、企業献金全面禁止を表明 来週にも進退判断
http://www.asahi.com/politics/update/0317/TKY200903170296.html

とはいえ、個人的には、本当に「全面禁止」なんていいんだろうか?なんてまだ思っちゃっていますが。