検察vs小沢の戦い 8 - 指揮権の発動2009/06/17

以前、トラックバックしていただいたブロガーの方のところに次のコメントを残したことがある。

「まだよく整理できていないのですが、いずれにしてもこのままいくと検察不信は止まらないでしょうから、最後の一手、森法相による指揮権発動もあるんじゃないかなんて思っています。一応、西松も会社とは別組織として政治団体を設立しているわけで、西松の国澤さん、大久保秘書の起訴理由の政治資金規正法違反を有罪にしちゃったら、企業がバックの政治団体そのものの違法化、否定につながっちゃうんじゃないか。これを止めさせるには、ほとぼりの冷めたところで、東京地検特捜部の一部の暴走なんて理屈を付けてなかったことにする。今回の大久保さん逮捕も自民党がやらしたわけではないという言い訳も立つし、自民党の株も少しは上がる。」

読まれた方はご存じのように、民主党が設立した政治資金問題第三者委員会の最終報告書でも「法務大臣の指揮権発動」について触れられている。そして、この「指揮権発動」に対するマスコミとかの反応に対する反論は、元検事で現名城大学教授、郷原信郎さんが『「法務大臣の指揮権」を巡る思考停止からの脱却を』と題したコラムできっかりとやられている。

しかし、郷原さんも書かれているように、指揮権を持っているはずの森法務大臣が「私は検察に全幅の信頼を置いて、その独立性・中立性を尊重したい」なんて言っちゃうぐらいだから、郷原さんの意見も豚に真珠、馬の耳に念仏ってなものだろう。

会社勤めをしているものなら、誰もが「会社のやっていることはおかしい」なんて思っても、それを口に出すことがいかに困難であるかを承知している。思っているだけで、「顔には出さず、口には出さず」がまあ俺みたいな一般人がやることだ。へたに口に出そうものなら、その後の毎日の生活は針のむしろ。近未来は自分から退職するか、首が待ち受けていると考える。

一般の会社に勤めていてもそうなのだから、ましてや検察なんてところは、いわゆる「学校」みたいなもので、その「学校」よりもはるかに閉鎖的な組織だろう。なぜなら、その組織の中にいる人間は、暗黙の権力があるから、だいたいにおいて外部に対して「大先生」でいられる。また、外部の人間とあれこれ喋るわけにいかないから、自由な議論もなく、批判にも晒されず、よほど本人が気を付けなければ頭が自己完結していっちゃう。そんな人たちで構成される検察に内部から自己チェック、自己修正ができると思うだろうか?間違ったことをやっても、そのまま暴走するんじゃなかろうか?そうなったら、最後の手段として、外部にいる法相が指揮権を発動するしかないんじゃなかろうか?

まあ、それをやらずに、「私は検察に全幅の信頼を置いて、その独立性・中立性を尊重したい」なんて言っちゃうってことは?...ってことなんだけどね。

アメリカの借金ってどのぐらいか知ってますか?2009/06/17

米国政府の公的債務(public debt or national debt)の総額。ここにカウンターがあるんだけど11兆ドル、つまり、日本円で1,000兆円を軽く超えて、増え続けているんだよね。

The national debt of the United States
http://oddhammer.com/tutorials/debt_clock/US_debt_clock.swf

で、オバマさんが議会に提出した2010年度予算教書の総額が3.5兆ドルほど(約350兆円)。つまり、米国家予算の3年分全額を返済に当てても借金総額に達しない。で、金融機関救済だってんで国債をどんどん発行している。この当たりは、「金貸しは、国家を相手に金を貸す」という会員制ブログによくまとめられている。

『1945年度~戦後・アメリカのGDP・米国債発行残高』
http://www.financial-j.net/blog/2009/05/000909.html

で、第一の素朴な疑問...

・ 米国は借金を返す気があるか?

素朴も何も、こんな疑問を呈する方が馬鹿げていましたね。返す気があるかないか以前に、少なくとも現在価値で返せるわけないよね。

で、第二の素朴な疑問...

・ 返せないのに借金を上乗せするというのはどういう「神経、考え」をしているのか?

自分で言うのも何ですが、この疑問の「神経、考え」ってのがポイントですね。米国政府といったって、現実にはごく一部の特権層(oligarchy)と取り巻きが仕切っていると考えて間違いないですから。その方々の「神経、考え」です。この方々はサブプライムなど大失敗をやらかしてにもかかわらず、昨年末にはブッシュさんと財務長官ポールソンさん、今年になってもオバマさんとガイトナーさんによって一般米国民のカネをたくさん貰いました。

いやあ、別にこれといった結論はないんですが、こう詰めていくと、次の段階の何かが見えてきちゃったりするんですね。まあ、俺だったら、まだアメリカ最強という脅しが効く間に、米国民の税金ばかりでなく、言うこと聞き入れそうな他国のカネも巻き上げるなんてことを考えますが。例えば日本郵政とか。

United States public debt from Wiki
http://en.wikipedia.org/wiki/United_States_public_debt

新しい段階に入った日本郵政問題2009/06/17

西松問題もますます「その様相」を深めているが、日本郵政の西川問題も「その様相」を深めている。「その様相」とは、まるで一般社会の理屈が通じない世界。例えば西松関係では第三者委員会の報告書の「指揮権の発動」に関する森法相の発言。

・「私は検察に全幅の信頼を置いて、その独立性・中立性を尊重したい。」

西川続投問題では、首相側近の自民党議員とされる次の発言。

・「西川氏は『三顧の礼』で政府が迎え入れたのだから、政府が辞めさせるわけにはいかない。」(「政府」って具体的には小泉さんと竹中さんのこと)

何と言えばいいんだろうか、どちらも答えとして第三者に通用する理屈になっていないんだよね。議論の相手は問題があると言っているのに、「全幅の信頼を置いて」とか「『三顧の礼』で政府が迎え入れたのだから」とか、単に「自分はこう考えているから、アンタもそう考えろ」って言ってるだけなんだよね。

思うに、多分この人たちは、こういうのが身内でしか通用しない屁理屈であることを認識していないんじゃなかろうか。そういう認識なしに発言している。つまり、身内と外の区別が付かないところまで頭が退化しちゃってる。こういう発言が理屈として通用する世界で普段生きている。要するに、まるで前近代的なヤクザ社会の住人。

当然、一般常識からすれば、こんな理屈通用するわけがないから、受け入れられない。となれば、理屈からすると、最後の手段ってことになるよね.....

はい、そうです。現在の自公政権、ヤクザ官僚の方たちには、一般常識の理屈はもはや通用しません。陰に陽にさまざまな形ですでに起きていますが、彼らに楯突く方々は新しい段階として「テロ」に対する注意が必要です。これまでは「ソフトテロ」。これからは「ハードテロ」ってところでしょうか。

アメリカの借金ってどのぐらいか知ってますか?(追加)2009/06/17

ちょっと勘違いしていたのですが、米国政府の借金は公的債務(public debt or national debt)だけではありません。Wikiにこうありました。これについては、追々見ていきたいとます。

「...."public debt" or the "national debt"には、 "intragovernmental debt obligations"および"Social Security Trust Fund"の債務は含まれていない。」

いわゆる公的年金のようなSocial Security Trust Fundについては、2008年時点ですが、75兆ドルという恐ろしい金額を出している人がいました。年金のために積み立てていたのはいいけど、政府はIOUという紙切れ(借用証)出して、統制不能の赤字を埋めるために浪費している。なんか日本の年金のような。

The Social Security Trust Fund "isn't funded" and "can't be trusted." It's a government-run Ponzi scheme. You put in cash. Washington puts in a paper IOU, then wastes your retirement cash to cover their current out-of-control deficits. A scam. Entitlements total about $75 trillion.

A $75 trillion fright fest
(恐怖の75兆ドルの宴)
http://www.marketwatch.com/story/a-75-trillion-fright-fest-8-megahorror-debts-chilling-the-us?dist=TNMostRead%2CprintMidSection&print=true