滑稽な展開になりそうな「鳩山」名義の文章掲載問題2009/09/03

ニューヨークタイムズをはじめとして、さまざまなところに鳩山名義で転載されている文章に関して、どこか滑稽な、しかし重大な問題が浮上してくるかもしれない。鳩山さんは「寄稿したわけではない」と発言しているのに、なぜそれらの米国マスコミはあたかも鳩山氏の寄稿文であるかのように記事を掲載しているのだろうか。見出しは違うが、NYタイムズと同じく鳩山名義の文章抜粋を掲載したクリスチャンサイエンスモニターは具体的な形で何が問題かを教えてくれる。サイエンスモニターの最後の段落は次のようになっている。

Yukio Hatoyama heads the Democratic Party of Japan. This is an abridged version of an article entitled "My Political Philosophy" in the September issue of the monthly Japanese journal "Voice." (c) Voice/Global Viewpoint Network. Distributed by Tribune Media Services.((c)は通常の文字コードではなく正しく表示されないので、俺の方で変更)
出典:Japan must shake off US-style globalization(日本は米国式グローバリゼーションを排除しなければならない)
http://www.csmonitor.com/2009/0819/p09s07-coop.html

注目すべきは、最後の「(c) Voice/Global Viewpoint Network. Distributed by Tribune Media Services」で、著作権保有マークが付いている。「All rights reserved」となっていないから、このTribune Media Servicesというニュース配信会社は、名前が適切かどうか分からないが「配信権」なるものを入手したのだろう。だから、転載される鳩山名義の抜粋文章の最後には、必ず、この種の著作権表記が付くことになる。

疑問なのは、この配信会社は、一体全体、誰から「配信権」を入手したのか、ということだ(マスコミによって見出しが違うから、その「誰か」から「改竄の許可」も受けているかもしれない)。普通に考えれば、この「誰か」はこの配信会社と商売をしたことになる。しかし、鳩山氏は「寄稿したわけではない」と言っている。もし鳩山氏が事実を言っているなら、Tribune Media Services社は、日本の次期首相と目される鳩山由紀夫名義の文章抜粋をどっかの誰かから提供され、その鳩山氏に確認もしないで、一部著作権の譲渡を受け、鳩山名義での文章掲載を許可していることになる。これって、考えようによっては、日本に対する侮辱じゃないかなあ。日本人の文章ごときに、米国の著作権法は適用されない、ってか?