米国の現在の状況を冷静に把握する 22009/10/01

同じ見出しで阿修羅に投稿をしたら、異論反論さんという方から「Re: 最も重要な米国の本質:戦争マシーン」という見出しで次のレスをいただいた。

「第二次大戦以後、米国は戦争をしなければ成り立たない最も下劣な国家に成り下がったという点に注目すべきだ。」

もっともな見方であることは確かだ。大戦後ずっと戦争をやり続けているのは米国しかないのだから。それも自ら進んで。

しかし、この意見は相手が戦争に対して「下劣」とかなどの価値基準、モラルを持っていて初めて意味を持つ話であって、相手がその手の価値基準がまるでないとなると話は別だ。「のれんに腕押し」「豚に真珠」の類になる。

そもそも米国民の大多数は戦争を悪いことと見ているとは、とても見えない。米国は世界における自由と民主主義、豊かさの象徴であり、それを妬む連中が世界にはいる。それが対テロ戦争と称してブッシュが言い続けたことであり、ちょっとトーンは落ちたが、ブッシュを継いだオバマも言っていることだ。相手の国などお構いなしに、この手のことを公の場で言い続けた、また言い続けているということは、国民の大多数がその見方を聞きたがり、納得しているということなのだ。だから、彼らにとって米国のやる戦争は、善悪で区別すれば「善」であり、米軍が世界中でヒデーことをしているなんて考えはほとんど頭にない。

とはいえ、あんまり犠牲が多くなり、長く続いて国民の不支持が高まってくると、米国側の軍上層部とか軍需産業系議員とかは、イラクやアフガンの治安警察部隊の養成とか、イラクやアフガンが自分たちで国が守れるようになるまで、なんて理屈を持ち出す。普通に考えれば、現地の言語も生活習慣もまるで知らないだろう米軍がどうやって訓練するんだと思うが、そんなことは問題じゃない。これも、米軍は世界で良いことをしているという国民的信仰に沿ったものだ。どこまでも、自分たちは良いことをしているというように言うし、現実問題として彼らはそのように考えを組み立てられる。

世界中が米国を羨望していて自分たちの価値が最高と考えている人たちだから、いわゆる「年次改革要望書」にしても、彼らの頭の中では、日本のために良いことをしてあげているぐらいに考えているかもしれない。この手の人たちには、「No, Thank You!」と面と向かって言わなければ、どこまでもつけあがる。

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