アナタ、戦争する人。ワタシ、儲ける人。2009/11/23

アフガニスタンにおける最近の事態の進展を報告する、この11月13日付けの記事(元は英エコノミスト)は苦いと同時になかなか愉快である。アジア安全保障会議におけるアフガニスタンの件でどういうわけか中国の名前が出てくる。中国は何かやってたっけ?

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 今年の初夏のある日、まだアフガニスタンでの戦争の進展を主張できた頃、 ロバート・ゲーツ米国防長官はアジア安全保障会議の席上、戦況の改善に貢献した国の名前を列挙していった。

 そのリスト――カナダ、モンゴル、ポーランドなど――が延々と続くと、3列目に座っていた中国の将軍のわざとらしい咳払いがどんどん大きくなっていった。そして最後には、痺れを切らした。「なぜ中国がないのか?」。将軍はこう問い質した。「中国は一体リストのどこにあるんだ?」

そう、本当にどこにあるのだろうか。実際、この質問は奇妙に思えた。ゲーツ氏のリストに載っている国々とは異なり、中国はアフガニスタンに一切派兵していないからだ。中国は、ハイチやスーダンのようなはるか遠くの地まで平和維持部隊を送り込んでいるが、近隣諸国に派兵することにはアレルギーがある。
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「違う」と同氏は苛立ちながら答えた。「私が言っているのは鉱山だ。我々の銅山のことだ」と。
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アフガン情勢と中国:両天秤
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/2133
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そう、賄賂で契約を得たとの噂はあるものの、中国は銅山開発でアフガニスタンに貢献していたのだ。これはアフガニスタンの復興支援を唱える米国の意向にも沿っている。こればかりではない。朝日の記事によれば、日本のカネで育成されたアフガン警察、そして米NATO軍に守られて鉄道建設も計画しているようだ。

中国マネー、輸送路着々 アフガニスタン 巨竜の影(1)
http://www.asahi.com/international/weekly-asia/TKY200910100208.html

イラクにしてもさんざん破壊して「自由」だとか「民主的な選挙」を唱え、未だに治安部隊の育成とかやっている米国、そんなことお構いなしに実利を求め、着々と地歩を固めている中国。どっちが賢いんだろうか?それに米軍というより、米国内部の協力なしに、中国はこんなことをやれるのだろうか?

アナタ、戦争する人。ワタシ、儲ける人。(補足)2009/11/23

中国のこのやり方は、狡いとは思われるかもしれないが、賢いかもしれない。他国の軍隊を使って条件を整えてもらって、自分は実利をとる。アフガンばかりでなく、イラクでも同じことをやっている。元々ブッシュ政権は石油など関係なく、独裁者フセインを倒し、イラクに自由と民主主義をもたらすと言い続けていた(途中からだったかな?)。そして、国際協力によるイラクの復興支援を呼び掛けていたわけだ。中国のこの油田開発も国際協力、復興支援そのものだろう。それも南部ルメイラ油田、イラク最大規模である。

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イラク、英中の企業連合と油田開発契約
2009年10月09日 06:17更新

 イラク石油省は8日、英BPと中国石油天然気集団(CNPC)の企業連合と、南部ルメイラ油田の開発契約を交わしたことを明らかにした。

 両社は2009年6月、イラク政府が約40年ぶりに実施した油田開発の国際入札で同油田を落札していた。同契約は、イラク政府の閣議承認を経て正式発効される。

 同省によると、BPが38%、CNPCが37%、現地企業が残り25%を出資し、事業会社を設立して同油田を開発するという。開発期間は20年間である。同油田の原油埋蔵量は約170億バレルで、イラク最大の規模。BPなどは同油田の原油生産を日量110万バレルから同285万バレルに引き上げる計画である。

 なおイラク政府は12月、油田10か所に対する国際入札を行う予定である。

イラク、英中の企業連合と油田開発契約
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/091009/42034.html
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