アジアにおける米欧的価値の崩壊2009/11/24

2001年の911以降、世界のニュースを思い返すと、自分の意識の中で非常にはっきりとした流れが浮かび上がってくる。それは、米欧的価値、世界を席巻すると思われた米欧的価値の崩壊である。例えばアフガン空爆、イラク空爆を見て、恐らく多くの人は米国が世界を席巻すると思ったことだろう。しかし、あれから10年近くもたって、イラクもアフガンもちっとも米国に席巻された様子はない。むしろ、情勢は悪化しており(アフガンの人たちのから見れば反撃しており)、アフガンでは、米軍をはじめとするNATO軍はさらに増派をしようとしている始末だ。これだけの軍事力の差があり、10年近くたちながら、どうにもできない。

また反撃は軍事面ばかりではない。精神的にもイスラム信仰が強固になり、イラクでもアフガンでも反米で、アフガンではきわめて政治色の強いイスラムが台頭している。これは、米国の対外政策の失敗であり、米国の思考方法、アプローチに大きな欠陥があると考えていいのではないだろうか。

では、その欠陥とは何だろうか?

俺には、自由とか平等とか、現実には何を基準にするかによって、かなり異なる形態が想定しうるにもかかわらず、自分たちの考える自由や平等を一般化して信仰し、それを他国に押し付けようとする米国の姿勢にあると思われる。アフガンやイラクに派兵された米兵の意見を読むと、ほぼ100%と言っていいほど、誰もが米国民のような社会、生活に憧れていると信じている。だから、民主化の手助けとか、民主国家の建設とか訳の分からないことを言う。

重武装車でぶっ飛ばし、住民の間を重武装で歩き回って民主化の手助けもへったくれもないと思うのだが、どうも米兵は疑問に思わないようだ。いや、それ以前に、そもそもオマエは何で米軍に志願して、そんなことやってんの?って聞いてみたくなる。オマエがブッシュ家の息子だったら、志願したと思うか?こんなことやってると思うか?って。

田中宇さんの超重要記事「日本の官僚支配と沖縄米軍」2009/11/24

自民党政権がほぼ途切れなく半世紀も続き、その歴史の中で特筆すべきことは、どういうわけか親米と呼ばれる政治家の政権がどういうわけか長続きしていることだろう。中曽根、小泉政権はなぜあれほど長く続いたのだろうか?反米とまではいかないが、自主独立の道を歩もうとした田中角栄さんとかはなぜ短命だったのだろうか?

日本に米国協力者がいることは間違いない。現在持ち上がっている普天間基地問題を扱った田中宇さんの記事は、その意味でも極めて重要と思える。米国は日本を守るためではなく、アジア各地への自軍展開の都合で日本の基地を使っている。にもかかわらず、「思いやり予算」にしても、日本の方からとんでもない額のカネと土地を提供してくれる。なぜだろうか。まだ、読んでおられない方がいたら、ぜひ一読することをお勧めする。

日本の官僚支配と沖縄米軍
http://tanakanews.com/091115okinawa.htm

▼在日米軍を「買収」している日本政府
▼海兵隊は米本土駐留が最適なのに
▼米軍買収策第2弾としてのSACO
▼グアム移転費負担が最新の買収策
▼米国の威を借りて自民党を恫喝した官僚
▼官僚支配を終わらせる日米関係の改定