世界の政治経済を見る私的視点(ちょび修正)2009/12/04

すでに俺のブログを読んでいただいている方はすでに存知だろうが、多岐にわたるテーマを取り上げている阿修羅という中身の濃い掲示板がある。そこでtaked4700さんという方の「アメリカより低い日本の貯蓄率、その意味するところは、、、。」という見出しの投稿に自分の反論をぶつけて、taked4700さんから非常に重要と思われる視点をいただいた。わずかな階層なのでスレッドを見ていただければと思う。

少なくとも、次の2点は言えるのではありませんか。
http://www.asyura2.com/09/senkyo75/msg/580.html

この中でtaked4700さんが挙げている2点は、失礼な言い方になるが、認識そのものに誤りがあると思える。とはいえ、誤りがあるとしても、日本、アジアの今後を考える上できわめて重要なポイントではないだろうか。順に2点を見てみよう

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>1. アメリカ市民が借金返済に励んでいると言うことは、少なくとも消費に使う金が少なくなっていると言うこと。結果的に、日本をはじめとする世界各国はアメリカへ輸出することで自国の経済をまわすことができなくなりつつある。
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これはすでに貿易量の変化を見ても明らかだが、元々米国のやっていたことは、普通にはできないことだった。かなりの割合が、値上がり見込みの借金による消費で支えられていたから、世界各国が「アメリカに輸出」できていた状況そのものが異常だった。これはバルチックドライ指数とかいろんな統計を見ると明らかである。値上がり見込みがダメになれば、それを前提に起きていたことがダメになるは当たり前であり、現在はその状況を迎えているに過ぎない。

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2. アメリカ市民が借金返済をしていると言うことは、いわゆる家計部門の赤字を減らすので、ある程度は強いドル復活につながる。
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ポイント1を踏まえて、もともとあの状況が異常だったとすると、その状況がなぜ生まれ、異常でない状況はどういう状況だったのかを考える必要がある。そのように考えていくと結論として、米国も金融をメインに食うのではなく、自国民を食わせる産業とかが必要ということではないだろうか。米国の金融は自国民ばかりでなく他国民へのパラサイトであり、これが続けられるとは思えない。産業がなければ、大半の仕事は国内サービス業だけになり、借金返済のための収入さえ多くの米国民は得られなくなっていく可能性が高い。

俺もまだ考えている最中だが、少なくとも2000年以降の米国は常識的にはあり得ない状況であり、そのあり得ない状況で中国や日本の輸出産業がいい思いをしていただけであることを認識する必要がある。現在は、何年も重ねてしまった、そのあり得ない状況を克服して元に戻す(正確にはある程度健全な経済環境に戻す)には、どうしたらいいのかという調整段階と思える。米国の場合は、未だに金融機関や軍需軍事に肩入れしているだけの状況からすると、しばらく世界から外して考える必要があるかもしれない。

コメント

_ kt27 ― 2009/12/05 00:57

こんばんは
>借金返済のための収入さえ多くの米国民は得られなくなっていく可能性が高い。
以前、NHKのドキュメンタリー『アリとキリギリス』を見た時のお気楽アメリカ人を思い出しました。ジャグジーの風呂とういかプールに、ご満悦な男に呆れたことを。
 最近の事ですが、 米政府が貯蓄を国民に奨励しているとのニュースを耳にした時、政府が奨励しなければならないほど、貯蓄に回せる収入がないんだと理解してました。
 なんか、凄くラフなコメントでごめんなさい。

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