お笑い9兆円の税収減見通し2009/12/23

みなさん、すでにご承知の9兆円の税収減見通し。 しかし、政権交代の段になって10年度税収見通しが46兆円から37兆円は、何度聞いても笑わないだろうか。何でそうなるの?46兆円を分母にして計算すると、その誤差、な~んと約20%。

政権交代後にますます明らかになったことは、自公政権期、法案にしても予算にしても、やっていたのは官僚で、予算はもちろん財務省。つまり、ちょっと先の見通しでさえ約20%もの誤差を出しても、平然として謝りもせず、何でこんな誤差が生まれたのかの説明もしない財務省が国家予算を決めていたわけだ。

財務省のモットーは「財政健全化」。昔からずっとそう。あなた会社にいて20%も見通しの狂った社員の言うことを信じますか?で、マスコミも一緒になって借金のツケを将来の子供たちに回すな、とくる。しかし、現時点で、もう学費も払えずに教育も満足に受けられない子供たちはいくらでもいる。自公政権という表の顔の裏で官僚がやった政治、財務省がやった予算のおかげで。

このような状況を踏まえれば、政治がやることは自ずと決まってくる。現政権がやっているように、官僚に政治をやらすな!財務省に予算を組ますな!ということじゃなかろうか。そして、経済については、これまで財務省が主張、やってきたことと逆のことをやればいいのだ。亀井金融相の意見が最もそれに近い。先ずは財政健全化の前に国の経済が死なないようにすることであり(死んでしまったら財政健全化もへったくれもない)、亀井さんは手遅れかもしれないというほど切羽詰まった状況であることをフリーの記者会見で指摘している。

亀井内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要(雑誌・フリー等の記者)
http://www.fsa.go.jp/common/conference/minister/2009b/20091217-2.html

追記:個人的には嘘・プロパガンダを流したり、情報を隠したりした官僚を処罰する法律を作って欲しいと思う。情報はカネだ。共有すべき情報を偽ったり、隠したりする罪は重い。それで人が死ぬ。

米国隷従と談合報道2009/12/23

忘れないように、紺谷典子さんの『平成経済20年史』さんに記されている、今から10年以上も前の平成9年日米通商会議で当時の自民党橋本首相の発言「米国債を売りたいと思った」に対するマスコミ、旧大蔵省の反応を重要な事実としてもう一度紹介しておこう。

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 日本は、当時(1997年)、世界一の外貨準備高を誇っていた。その大半が米国債だ。その日本が米国債を大量に売れば、米国経済へのインパクトは大きい。つまり、橋本首相は、日本にもカードがあるとほのめかし、無理難題はほどほどにと、やんわり押し戻したというわけだ。
 米国のマスコミの多くが、この発言(橋本元首相の「米国債を売りたいと思った」という発言)を「威嚇」と受け止めた。「どうせ売れやしない」「売れば円高が進むから、困るのは日本の方だ」と反撃したのも、まあ当然というものだろう。
 解せないのは、日本のマスコミが「失言」と決めつけて、「不用意」「軽率」「うっかり」と批判的だったことだ。「米国の株価だけでなく、日米関係を危険にさらした」「米国が怒ったらどうする」「外貨準備の半分を金で持つのは不可能だ」と、まるで米国の新聞のようなのだ。
 日ごろ、日本のマスコミは、日本の政治家の存在感のなさ、国際的発言力のなさを、慨嘆していたはずである。それなのに、発言力を行使すると、あわてふためいて外国に気を遣うのはなぜなのか。

 世界競争の時代、各国は自国の利益を守るのに必死である。日本の首相が自国の影響力を世界に思い出させたのがそんなに悪いことだろうか。
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 この程度のかけひきは、どこの国だって行っている。もっと露骨な圧力や介入もめずらしくない。どこよりも米国自身がそうである。橋本発言を評価する声がEUにあったのは、彼らも米国の横暴を感じていたからだ。
 誰よりもあわてたのは大蔵省だった。橋本首相の名前で、「誤解を招いたのは遺憾、真意は違う」と即座に訂正コメントを発表。蔵相も時間も、「これまで一度も売ろうと思ったことはないし、今もそうだ」と同じ表現で釈明に努めた。実質的な首相発言の否定である。
 しかし、首相の発言を、蔵相や官僚が即座に否定するのは、かえって国際信用を失う行為ではないのか。米国を恐れ、迎合する大蔵省の姿勢が、くっきり見えた瞬間だった。橋本発言を知って、大蔵省次官が激怒したとの報道さえあった。

紺谷典子さん著『平成経済20年史』(p.239~240)
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「日米関係を危険にさらした」「米国が怒ったらどうする」。この間の沖縄米軍基地問題での報道を思い出して欲しい。橋本首相の時は大蔵官僚が唱和したようだが、今度は自公政権でないからだろうか、米国あるいは官僚の提灯持ちがマスコミを賑わせ、同類の発言が繰り返し報じられた。

どちらも共通しているのは、事実として、自分たちが何をすべきか、どうすべきかの一番先頭に「米国が...」がくることだろう。沖縄でもなく、米軍基地がどうあるべきかでもない。単純に「米国が...」が最優先なのだ。奴隷根性ここに極まれり、と俺は思う。こんな連中が政治経済、マスコミを仕切り、任せていたわけだから、日本が現在のような状態になるのも当たり前だろう。

皆さんはどう思われるだろうか.....


追記:紺谷典子さんの『平成経済20年史』は、重要な指摘が盛りだくさんで、少しずつ、当時の出来事を思い出しながら、時間の許す限り紹介できればと思う。