検察、マスコミに一般常識ある?(更新)2010/01/18

先々週日曜のテレビ朝日の番組「サンデーモーニング」で元検事の郷原信郎さんが、問題とされている4億円の記載があると発表して以来、検察はヒートアップ、マスコミ報道もヒートアップでますます滑稽さが増しているようだ。「自殺の恐れがあるから逮捕」っていうのも笑っちゃうしかないんだけど、さらにこれも面白い。

小沢氏団体不透明会計:小沢氏聴取、再び要請 解明に不可欠--東京地検
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100118ddm001010049000c.html

これ笑わないかなあ。これまた、検察とマスコミの意図が見え見えで。「疚しいことがないなら、なぜ事情聴取に応じない!」っていう印象操作。

しかしですねえ、去年3月には、事情聴取のために地検に赴いたら、大久保さんいきなり逮捕されちゃったんじゃないかなあ。こういう例がついこの前に起きているわけだから(今回の石川さんたちの逮捕もこれに近い)、小沢さんは、事情聴取に応じるなら、何について、どういう条件で事情聴取したいのかとか検察の方に弁護士を通じて具体的に尋ねるよね。当然、こんなことが起きている状況で、無条件に「はい、分かりました」と言って要請されるがままに、地検に赴くお人好しはいないわけだ。

事情聴取したい内容によって、単なる事実関係なら電話ですむかもしれないし、込み入ったことなら、どっかの記者、弁護士立ち会いの下で地検以外でやってもいいかもしれないわけだ。だって、任意の事情聴取で、自分たちの条件通りじゃなきゃダメだ、なんて駄々っ子の言うことでしょ。こう考えると、むしろ、「事情聴取を要請」と言いながら、要請に応じられないようにしているのは、地検特捜部の方としか考えられないんだよね。

ところが、地検とマスコミには、そういう当たり前の対応を当たり前と考える一般常識を持ち合わせていないようなんだよね。だから、「検察=正義」を前提にして、国民もまた「検察=正義」を前提にしていることを当てにして、上記のような法律違反のリークを流して、マスコミもそのまま流す。

不肖、一日本国民の俺っちは、こんなのに自分の、また多くの国民の選んだ政権、政治をどうにかされたら、たまったものじゃない、と思うのであります。

犯罪の立証責任は誰にあるのか - コメント欄から2010/01/18

この間、小沢さんの件に関してよく書いていて、皆さんの関心も高いせいか、コメントをよく頂く。内容に目を通してはいるのだが、返事を書かずにいることを、申し訳なく感じている。言い訳くさくなるが、返事を書くところまで頭が煮詰まらないというか。いずれにしても、コメントを有り難うございます。

いただいたコメントの中で、小沢さんの4億円の件に関する「『4億円不記載」』とは一体何なのか」と題する元検事の郷原信郎さんの日経BPの記事に対する以下の私の記事に対して、「通りがかり人」さんというハンドル名の方から簡潔な指摘をいただいたのでそれを紹介したい。詳しい内容は下記URLの記事を読んでいただくとして、俺の指摘の要点だけを書けば、郷原さんの「小沢氏は現金貸付の原資を早急に説明すべき」との提言に対する疑念である。

「憶測」に「説明」で応じることは適切か?(更新)
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2010/01/13/4809902

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
犯罪の立証責任は、だれにあるのか、という点だと考えます。もちろん、犯罪の立証は検察にあるわけです。世間でどんな噂が流れていようと、犯罪を立証する義務があるのは、検察です。怪しい、という噂だけで、説明責任がある、というのは、刑事訴訟手続きを知らない人、推定無罪の原則を知らない、無知な人たちのたわごとであることを、あらためて確信しました。

「通りがかり人」さんからのコメント
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2010/01/13/4809902#c4813640
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

先ほど読んだ、植草さんのブログにも同様の主張が見られた。「通りがかりの人」のコメントとともに併せて読むと、成る程と納得する。ご自分の体験を含めて、現在の「説明責任」の問題点がまとめられているので、お勧めである(俺のブログの読者はとっくに読まれていると思うが)。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第8条(罪刑法定主義)

法律は、厳格かつ明白に必要な刑罰でなければ定めてはならない。何人も、犯行に先立って設定され、公布され、かつ、適法に適用された法律によらなければ処罰されない。

 市民は法律が定めることによらなければ、むやみに検察に事情を話す義務を負っていない。警察が人権を無視して傍若無人にふるまい、市民がその横暴に屈服する姿は、特高警察の時代の遺物である。

 この点は元自治相の白川勝彦氏から学ぶべきである。

 小沢氏は法律の定めによらず、安易に事情聴取などに応じるべきでないとするのが、正しい市民の判断である。

 検察は日本の支配者ではない。とりわけ、昨年3月以降、検察の暴走、政治偏向が際立っている。検察を絶対視するマスメディアの基本姿勢が腐っている。検察を一行政機関として相対化することが不可欠である。

「一・一五事変」の重大問題②推定無罪の無視 from 植草一秀の『知られざる真実』
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-5676.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~