二周遅れの戦後にサヨナラを!2010/03/08

日本の政治にはほとんど関心を持ったことがない俺が、このブログを始めてからほぼ政治ネタばかりを書き綴ってしまった。とはいえ、テレビの報道番組も新聞もほとんど目にすることはない。変な表現かもしれないが、テレビや新聞の大手マスコミ報道に視線をやっても、まるで目に入ってこない。

現鳩山政権は右往左往しながらも、日本の戦後にサヨナラを言おうとしているように見える。残念ながら、世界標準から二周、三周遅れてはいるが。

二周、三週遅れている?

この説明には、マスコミ報道で流される理屈は必要ない。ただ、一国民として、日米の間で起きた、起きている事実を見ればいい。日本に多数存在する米軍基地、そして普天間!

1991年のソ連崩壊で東西冷戦が終わり、1993年の中国の市場経済導入によって日本の米軍基地なんぞ、とっくに縮小に向かっているはずなのに、「日米安保」(これは嘘だが)の名の下に米軍基地は存在し続け、それも縮小どころか思いやり予算をはじめとして拡大し続けている。その最後の象徴が普天間移設、というより沖縄米軍基地拡張問題だろう。

この事実を見ただけでも、連立を含めて戦後ずっと支配し続けた自民党政権で行われていた外交政策が一周遅れていたことが分かる。しかし、遅れは、これだけではない。米国とそのポチのために存在していたような日本の戦後は、米国が覇権国であり続けることを前提にしている。しかし、世界はどうだろうか。

背後に米国と噂される、旧ソ連圏で吹き荒れたカラー革命とやらはどこに行ったのだろうか。少し前のウクライナでもユシチェンコ大統領は得票数わずか5%ちょびで、決選投票にも残れず見事に敗れ去った。米国自体を見ても、その超巨大な赤字、失業率を見れば、覇権国で有り続けることはできないと判断するのが適切だろう。東欧、中南米をはじめとして、世界はそのように見なした動きになっている。

現在自民党やマスコミ、外務省、防衛省ご推薦のように、06年合意通りに辺野古の海岸を埋め立てて新しい基地を作ったとしよう。米国はその基地を自分たちのカネで維持できるのだろうか?

現在の米国の財政状況を見る限り、どう見ても答えは「ノー」だろう。となると、思いやり予算?

俺らが日本国民は、ジュゴンが生息するあの辺野古の素晴らしい海を自分たちの税金で破壊して、なおかつ思いやり予算という名目でその維持費まで用立てるってことだろうか。さらには、米軍はいつまで新しい基地を使う、使えるのだろうか。ペンタゴンは世界中に散在する米軍基地の縮小に向かっているはないか。

冷戦後の軍備縮小に背を向け、その後の米国覇権の衰退にも背を向ける。まさに世界情勢から二周遅れの日本と言っていいだろう。


政権交代を機に、俺が注目したのは、この二周遅れの日本を自民党や官僚がどのように認識しているかだった。しかし、昨年来、大騒ぎされている普天間にしても、「政治とカネ」にしても、その対応を見る限り、見事に何の認識もなく、新しい時代に向けた対応策もないことが明らかになった。どの対応を見ても、その底流にあるのは「今まで通りにやりましょうよ」と言っているだけだ。それに大手マスコミが乗っかり、マスコミ自体が米国とその国内ポチのポチ、抵抗勢力であることを晒してしまった。

鳩山さんが「私の政治哲学」の中で指摘した米国覇権の衰退。現在は世界中の国々がこの覇権の衰退を見据えて、それぞれに自国の進むべき道を探り、歩を進めようとしている。個別にはさまざまな問題があるにしても、この二周遅れの戦後へのサヨナラに向けて日本の舵をとれるのは、残念ながら、当面の間、民主党を頂点とする現政権しか存在しないと思える。