パラサイトな日々2009/07/27

一昨年以降のゴールドマン・サックスなどの会社の報道を読んでいると、かなり前だが、囲碁を通じて知り合いになった社長さんの会社を思い出す。

当時俺はけっこう囲碁にハマって、週に1、2度会社帰りとかに囲碁クラブに通っていたことがある。その頃、社長さんと何となく知り合いになり、そのうち会社に遊びにこないかという。面白いので尋ねてみると、建物はそれほど古くなく、まあまあなのだが、部屋に入ってみると本当に少人数、つまり、社長と事務の男女社員2人のサラ金の会社だった。囲碁をやろうということになり、衝立のこちら側で囲碁を打っていると、パラパラとお客さんがやってくる。間に衝立しかないから、話し声が聞こえる。

「3万円、お願いしたいんですが...」
「健康保険証とか、証明書を持ってますか?」
・・・
「しばらく、お待ちください。」

事務員がこちらにやってきて、電話をとり、借りに来たと思われる人の名前を言って、何やら問い合わせている。で、電話を切ると、囲碁をしている社長にメモを見せながら、「社長、どうしますか?」...結局、貸すことになり、借り手が受け取った額は3万円ではなく2万7千円。金利分を天引きされていた。
・・・・・・・・・

ゴールドマン・サックスなどのやっていることも、基本はこれと同じ、パラサイト生活である。他人の無知につけ込んで、ただただカネを操作する。これももっともらしい記事だが、

米ゴールドマン・サックス、超高速取引で巨額利益
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/20090725/38016.html

別に法律に触れているわけではないだろう。パラサイト生活をするためには、当たり前のことじゃなかろうか。これがパラサイト生活の神髄。

とはいえ、世の中には、間違ってこういう業界に入ってしまったナイーブな人もいるかもしれない。何でもありで、真面目な人は下手なことを考えるかもしれない。その意味では、彼らの高額給料、高額ボーナスというのも、口止め料と考えると、納得できるのではないか。騙せる者は誰でも騙し、黙らせる者は誰でもカネで黙らせる。これがパラサイト生活というものである。

しかし、パラサイトできる相手がいなくなったらどうなるんだろうか。報道を読む限り、米国はますますその状況になっている。何と言っても、政府に入り込んで、直接自分の手で税金を弄るまでになってしまった。日本ももう少し。とりあえず日本郵政は静かになったし、経団連は、在日米国商工会議所との間で何でもかんでも規制撤廃、自由貿易ってな共同声明まで発表している。

スピッツァー元州知事:「FRBはネズミ講、インサイドジョブ」2009/07/27

売春婦疑惑とやらで辞任した元ニューヨーク州知事、エリオット・スピッツァーのテレビ(MSNBCの”Morning Meeting”)での発言が波紋を広げているようだ。当たり前だよね。ニューヨーク連銀なんて、税金貰った連中のお仲間が仕切ってんだから(話しは違うけど、スピッツァーさんて、どこか植草一秀さんのケースと似てないかな?ニューヨークタイムズのスクープが発端だったみたいだけど)。

「Eliot Spitzer went on further, “The most poignant example for me is the AIG bailout, where they gave tens of billions of dollars that went right through — conduit payments — to the investment banks that are now solvent. We [taxpayers] didn’t get stock in those banks, they didn’t ask what was going on — this begs and cries out for hard, tough examination. You look at the governing structure of the New York [Federal Reserve], it was run by the very banks that got the money. This is a Ponzi scheme, an inside job. It is outrageous; it is time for Congress to say enough of this. And to give them more power now is crazy. The Fed needs to be examined carefully.”」

Spitzer: Federal Reserve is a Ponzi Scheme and an Inside Job
http://www.digitaljournal.com/article/276533

スピッツァー元州知事:「FRBはネズミ講、インサイドジョブ」(補足)2009/07/27

ご承知のように、ブッシュ、オバマ政権で繰り返される金融機関救済、税金投入については、このブログばかりではなく、他のそれなりの数の日本語ブログでも、多大な疑問が表明されてきた。なぜなら、救済策を考えやった政府側高官が、元財務長官のポールソン、現長官のガイトナーをはじめとしてゴールドマン・サックスの元社員とか関係者ばかりで、まるで泥棒が他人のカネを無条件に得て、自分たちの貰い分を自分たちで決めている状況になっているからだ。

この間の金融機関救済については、米国でもジャーナリストや学者からの疑問はあったが、辞任したとはいえ、元ニューヨーク州知事であり、ニューヨーク州司法長官でもあったエリオット・スピッツァー氏が大手テレビ局の番組で発言した意味は大きいと思われる。Wikiに記載されているこの人の経歴も興味深い。

「ニューヨーク州司法長官として、アナリストの中立性についてメリルリンチを追及。また、AIGの不正会計を追及し、同社のCEOとして君臨したモーリス・グリーンバーグを辞任に追い込むなどした。その活動ぶりと名前から、「現代のエリオット・ネス」とも呼ばれた。」(Wikiから転載)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%BC

スピッツァー元州知事:「FRBはネズミ講、インサイドジョブ」(疑問点)2009/07/27

今、ビデオを見終わった。これまでの状況については、うまくまとめているのだが、どういうわけか、肝心要のゴールドマン・サックスへの言及が一言もない。銀行一般として扱われているのだ。ゴールドマンが金融救済で立ち直った後に出てきた、この番組は何を意味するのか?FRBに対する監査を求めるロン・ポールの法案が過半数の支持を受けている状況を考えると、なかなか興味深い。英語だが、手振り身振りでやっているので、このビデオをぜひ見ていただきたい。

Eliot Spitzer Takes On The Fed - MSNBC w/ Dylan Ratigan
http://www.youtube.com/watch?v=gAtSmR7Z-Kg

Spitzer: Federal Reserve is a Ponzi Scheme and an Inside Job
http://www.digitaljournal.com/article/276533