「日本国民は"大人"になりつつあるのか...」2009/12/25

【2009年12月25日、東京発】国外からは異常、起きえないのではないかと思われてきた日本の政権交代が、戦後半世紀以上を経て今年8月31日の衆議院選挙でやっと実現した。日本国民の民主的な選挙によってである。新政権の首相になったのは、憲法改正を掲げる民主党代表、鳩山由紀夫氏だ。

しかし、難産だった。すんなり選挙に入れば、同じく憲法改正を掲げる小沢一郎氏が新首相になるはずだったが、秘書の政治資金規正法問題で民主党党首を辞任して鳩山氏に交代し、第一党になった民主党代表として首相の座についた。

その鳩山氏が小沢氏と同じく政治資金規正法違反で進退を問われている。官マスコミ一体の記者クラブという談合組織を形成する日本の主要マスコミは、小沢氏のときと同じく執拗に鳩山氏を攻撃する記事を流し続けている。

これだけ執拗にマスコミの攻撃を受ければ、鳩山内閣の支持率は急落し、20、30%に落ちてもよさそうだが、依然50%前後の支持率を維持している。それも、かなり恣意的と思われる枝葉末節な、鳩山内閣を貶めることを意図しているとしか思えない質問をされてもである。支持率が急降下しないということは、鳩山政権の姿勢に日本国民の多くに何か訴えるものがあるか、日本国民の間で何かが変わりつつあることを伺わせる。

第二次大戦後、占領軍のトップとして赴任したマッカーサー元帥の「日本人は12歳」という発言は、日本で非常に有名である。7年という占領期間中、マッカーサー元帥がこの12歳の国民を躾けることに邁進したことは想像に難くない。この間、どのようなことが行われたか。最近では、イラクの動向を見ると、よく分かるのではないだろうか。それまでのイラクを支えてきた政治家や学者、科学者、技術者などのいわゆる指導者たちは暗殺されるか、実質的な国外追放となった。そして、日本と同じく、国際法に照らして違法とされる占領期間中の憲法制定がされた。違いは、イラクの場合、市場原理主義全盛のブッシュ政権時代のこともあり、その障害となる関税などの措置がほぼすべてCPAの手になる暫定法によって排除されたが、幸いにも日本の場合は、そこまでいかず、むしろ朝鮮戦争などもあって、産業育成がされたことだろうか。しかし、占領の邪魔になる国民が排除され、占領に有用とされる人物が復権、あるいは要職にありついたことは同じである。

このように見てくると、半世紀以上も続いた自民党政権の位置がよく見える。日本では、連立はあったにしても、傀儡政権が半世紀以上も続いたということであり、だからこそ、米軍駐留も未だに続いているばかりか、むしろ、国民の貧困化が進行する中でも、「思いやり予算」という形で米軍駐留を金銭面で支える形になっている。また、占領中に制定された国際法違反の憲法が維持されている。

自民党ばかりでなく、官僚、主要マスコミ、学者、万年野党政治家などにいる、自民党という傀儡政党を介した米国による日本支配を支えてきた人たち。その政治社会経済の支配、馴れ合い、腐敗、売国構造が日本国民に見え始めているのではないだろうか。現在は何よりも、その構造の破壊こそが最重要課題であり、第一段階として、その破壊ができるのは国民が選挙で選択した民主党を中心とする現政権しか存在しないように見える。

戦後占領体制維持の一翼を担ってきた自民党政権という表看板が倒れた後、同じく一翼を担ってきた官僚・主要マスコミがあからさまに表舞台に出てきたのは偶然ではあるまい。政治資金規正法に関わる虚偽記載という些末な問題を最大化した鳩山首相に対する官マスコミ一体となったプロパガンダを乗り越えていけるかどうか。鳩山政権というよりは、むしろ日本国民の方が政治的な成熟度を問われていると言っていいだろう。政治は現実である。現状、何を最も最優先すべきか。最優先事項を実現するために何を残し、何を残すべきでないのか。厳しい、しかし、だからこそ落ち着いた選択が日本国民に求められている。【ウッソー通信】

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