ネオコンたちの理屈は理屈になっているのか?2009/11/29

米国のネオコンや市場原理主義者の書いたものを読んでいると、この理屈は何なんだろう、頭がおかしいんじゃないかと感じたり、その逆に俺の頭の方がおかしいのか?なんて疑問に思ったりすることがよくある。とてもじゃないけど、付いていけないのだ。

例えば来週予定されているとされるオバマさんによるアフガン増派の発表を前にワシントン・ポストに寄稿されたネオコン、ケーガン兄弟の一文にこんな箇所がある。(この箇所は元グリーン・ベレー、情報将校のパトリック・ラングさんも紹介していて感心していた。)

If the Afghan government were fully legitimate, there would be no insurgency. U.S. and international actions must aim to improve the Afghan government's ability to provide basic services such as security and dispute resolution nationwide, building the legitimacy of the government in Kabul sufficiently to dampen a large-scale insurgency. They must persuade and even compel Afghan leaders to stop activities that alienate the people and create fertile ground for insurgents.
In Afghanistan, real leverage starts with more troops
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/11/25/AR2009112503537.html

「アフガン政府が完全に正当ならば、反乱は起きないだろう。」

ここまでは良いんだ。アフガンの人たちはカルザイ政府に正当性を認めていないから、反乱を起こしている。現実にその通り。

しかし、ケーガン兄弟はこの後に次のように書いている。

「大規模な反乱を抑えて、カルザイ政府が正当性が認められるように、米国および国際社会の活動の目的は、カルザイ政府が治安や紛争解決などの基本サービスを提供できるにすることでなければならない。アフガンの指導者を説得し、強制的にでも、アフガン国民を疎外し、反乱勢力にとって格好の土壌を生み出す活動を止めさせなければならない。」

これのおかしいのは、カルザイ政府の正当性を認めていないのはアフガンの人たちで、反乱を起こしているのも同じアフガンの人たちなのに、意図的にかどうか分からないけど、両者を区別しているんだよね。当の国民が政府の正当性を認めていないなら、常識的には、国民が認められていないその政府を支援すべきでないと考える。ところが、ネオコンのケーガン兄弟は逆の答えを出して、カルザイ政権を支え、国民に正当性を認められるようにすべき。だから、増派をすべき、って言っているんだよね。お読みいただいた方は、ネオコンの理屈をできますか?それとも、俺の方の理屈が変なんだろうか?