爆笑で迎えられたガイトナーさんの中国初訪問2009/06/03

現在の世界の経済情勢を考えれば、米財務長官ガイトナーさんが日本を素通りするだけでなく、訪問する予定もなく、中国を初訪問したことの重大さが分かりますよね。日本じゃほとんど報道されていないようですが、ロイターはえらい勢いで報道してますね(米国主要メディアは知りません)。

UPDATE 3-Geithner tells China its dollar assets are safe
(ガイトナー、中国のドル資産は安全と話す)
http://www.reuters.com/article/usDollarRpt/idUSPEK14475620090601

ちなみに見出しの話を北京大学でしたら(safeではなく、very safeですが)、学生が爆笑したそうです。「自分たちの生活水準あげないで、何で外貨準備をこんなに増やすの?」ってな訳で。日本の自公政権より、中国の学生たちの方がよっぽど事態を把握しているようで。

「 "Chinese assets are very safe," Geithner said in response to a question after a speech at Peking University, where he studied Chinese as a student in the 1980s.

His answer drew loud laughter from his student audience, reflecting scepticism in China about the wisdom of a developing country accumulating a vast stockpile of foreign reserves instead of spending the money to raise living standards at home.」

「地球規模で噴火する世紀末金融ショック」というすごいタイトルのこのブログの方はちゃんと分析しているようですね。

ガイトナー米長官が日本を素通りする理由
http://www.actiblog.com/hillser/90903

*検察vs小沢の戦い 7 - 地検の論理の行き着く先2009/06/03

当初は「検察vs小沢の戦い」という位置づけで考えていたけど、NHKが記事にした二階派のパーティー券問題に関する東京地検特捜部の不起訴処分理由を読むと、「検察vs国民の戦い」とした方が適切かとも思い始めた。

「東京地検特捜部は「問題のパーティー券は、二階大臣の秘書が西松建設に購入を依頼していたが、派閥の団体の会計責任者など政治資金規正法の対象になる関係者は西松建設側とは接触しておらず、実際には西松建設が購入したと認識していたとは認められない」
ソース:二階派の関係者 不起訴に(ページ末をクリックして、「もっと詳しく」のページ)
http://www.nhk.or.jp/news/k10013354631000.html#

付け足しはあるけど、この特捜部が発表した不起訴理由で重要なことは次の一点に絞られる。

「実際には西松建設が購入したと認識していたとは認められない。」

この発言は、リーク慣れした東京地検が政治資金規正法の「虚偽記載」違反で大久保秘書を起訴したことに向けて、どこに争点を置きたいかをよく表しているのではないだろうか。

しかし、元検事の郷原さん他、多くの方が指摘しているように政治資金規正法は「寄付の行為者」の記載を求めているのであって、「資金の拠出者」の記載を求めているわけではない。だから、釈放後本人が発表しているように、大久保さんは「政治資金規正法の定めに従って適切に処理し、収支報告書に正しく記載したもので、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはない」ということになる。

とすると、地検特捜部が先ずやりたいことは、政治資金収支報告書に「資金の拠出者」を書かないことは違法ということを国民に印象づけることではないだろうか。無条件でこのことを印象づけることが絶対的な前提になる。なぜなら、そのようにしなければ、次の段階、「認識の有無」の問題に進めないからだ。地検特捜部の言う、二階派パーティー券の不起訴理由は完全にこの線に沿っている。

しかし、どうどう巡りのようになるが、ポイントは「認識の有無」ではなく、あくまで「政治資金収支報告書に資金の拠出者を書かないことは違法か」である。この前提、つまり、これが違法という前提が成立しなければ、「認識の有無」を問題にすることがはできない。検察が「認識の有無」を問題にするなら、政治資金規正法に基づいて、これが違法であることを証明する必要がある。

まあ検察が裁判でどう論理展開するのか分からないけど、一国民としては、他人に危害を加えたわけでもなく、他人のモノを盗んだわけでもなく、かつ自分では法を犯しているつもりもないのに、逮捕、拘留され、「認識の有無」を問題にされたら、どうすればいいんだろか?....なんてことを考えてしまう。