【特報】修正新自由主義にノーベル経済学賞2009/10/13

2009年10月13日 夕刊
【ストックホルム】スウェーデンの王立科学アカデミーは12日、2009年のノーベル経済学賞を米国シカゴ大学のエリナー・オッペケ氏(64歳)に授与すると発表した。

オッペケ氏はシカゴ大学教授で、同大学では1976年にミルトン・フリードマン氏が同じくノーベル経済学賞を受賞している。オッペケ氏はフリードマン氏に師事し、同じく新自由主義を掲げていたが、フリードマン氏の政府と民間の対立概念に批判的で、2006年にフリードマン氏が死去された後、「修正新自由主義」を発表していた。

オッペケ氏によれば、フリードマン氏の新自由主義では、政府と民間を対立するものと捉えて、規制のない自由市場経済が唱道されていたが、この考え方は中途半端であり、真の意味での自由は、民間が政府となることで達成されるとしている。昨年、ブッシュ政権が行った金融機関救済はオッペケ氏の考えに基づく行動の一環であり、オバマ政権になってゴールドマン・サックスなどの元民間金融機関在籍者が財務省に多数入ることによって、真の自由は達成されつつあるという。

特定の金融機関救済に国民の税金が使われていることについて、オッペケ氏は「投資対象に税金かどうかは問題にならない。小さな投資で莫大な利益を上げることが金融機関の目的であり、当然のことながら、税金もまた投資対象になる」と述べている。実際、米国では、金融分野ばかりでなく、税金で建設されてきた建物や道路なども投資対象として次々と買収が進んでおり、議会で最大の議案になっている医療改革法案もこの方向で話が進められているようだ。ごく近い将来、株主の利益だけを最大目的とした完全民営政府が誕生するかもしれない。【ウッソー通信】

世論調査から消えた公的医療保険オプション?2009/10/13

NBC NewsとWall Street Journalは、どの世論調査でもつねに国民の3分の2以上が支持している公的医療保険に赤信号を灯している。両社は、医療保険改革に改革に関する世論調査から、公的医療保険の質問を除いている。

SurveyUSAが8月20日に発表した医療改革保険に関する世論調査では、国民の4分の3は公的医療保険をきわめて重要(Extremely important)、けっこう重要(Quite important)と回答しており、NBC/WSJが、6月の世論調査では設けていた公的医療保険の質問をこの8月になって止めたのか疑問が出ている。

下記は8月20日に発表されたSurveyUSAと6月に発表されたNBC/WSJの公的医療保険に関する調査結果を比較(()内がNBC/WSJの調査結果)。重要と応えた米国民が8割近くに上ることが分かる。

Extremely important: 58 percent (41 percent in June 2009 NBC/WSJ poll)
Quite important: 19 percent (35 percent in June 2009 NBC/WSJ poll)
Not that important: 7 percent (12 percent in June 2009 NBC/WSJ poll)
Not at all important: 15 percent (8 percent in June 2009 NBC/WSJ poll)

Total important: 77 percent (76 percent in June 2009 NBC/WSJ poll)
Total unimportant: 22 percent (20 percent in June 2009 NBC/WSJ poll)

3/4 of Americans Back Choice of a Public Option
(米国民の4分の3が公的医療保険オプションを支持)
出典:My Direct Democracy
http://www.mydd.com/story/2009/8/20/165644/660