イムジン河 by フォーク・クルセダーズ2009/10/19

加藤和彦さんが亡くなられた。初めて聴いたフォークルの曲は、「何のために」だった。CDのベストを買いに行って、そこには「イムジン河」は入っていなかった。

「イムジン河」

「何のために」

文脈社会と非文脈社会2009/10/19

元グリーン・ベレーのパトリック・ラングさんのブログに紹介されていたイラク報告を読んでいたら、気になる表現にぶつかった。全体の内容は、米国のイラク政策の失敗についてで、米軍が介入することによってイラクの部族・宗派間融和ができたにもかかわらず(実際には対立の原因は石油資源にあるとしているが)、それを怠ったことが、最近のイラクの暴力の増加につながっていると報告している。報告しているのは、米陸軍が少し前に始めたHTS(Human Terrain System)という試みに参加したAdam Silvermanという社会科学者だ。

Increased Violence in Iraq - Adam Silverman
http://turcopolier.typepad.com/sic_semper_tyrannis/2009/10/increased-violence-in-iraq-adam-silverman.html

俺が気になったのは、次の表現。

Please remember that Iraqis are "high context" communicators.

"high context"は日本語では「高コンテキスト」とか「高文脈」とか訳され、日本は「高文脈社会」に属するとされている。要するに、言葉もあるが、仕草や状況を読み取る方が得意とする社会である。報告によれば、イラクの人たちもまた「高文脈」であるよう。

この言葉は、あまり好きな言葉ではなかった。「低文脈社会」であるアメリカとの対比で「日本は特殊」と強調する目的でよく使われることがあるからだ。現実には、文脈社会かどうかでいうと、おそらく文脈社会の方が圧倒的に多いだろう。なぜなら、人間の行動はある程度パターン化しており、そのパターンに慣れるに従って高文脈化するのが自然と思えるからだ。同徳女子大学の学生の方は次のようにまとめている。

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高文脈社会と低文脈社会

* 高文脈社会:状況や言葉以外のものが意味を伝達することを前提としている.高文脈社会の人々は自分の意志を文脈で伝達することを期待し、文脈のコミュニケーションにおいては最も重要な情報でさえ文脈情報のなかに委ねられる事がある.
* 低文脈社会:伝達される情報は言葉によるメッセージのなかに与えられる.文脈は情報を伝えないと考えられているので,情報はほとんどすべて明示される.

高文脈社会
日本人
アラブ人
ギリシャ人 ↑
スペイン人
イタリア人
イギリス人
フランス人
アメリカ人 ↓
北欧人
ドイツ人
ドイツ系スイス人
低文脈社会

ソース:http://members.at.infoseek.co.jp/inse_net/kiroku/bunkasi4.html
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文脈化という観点で社会を考えるとなかなか興味深い点が出てくる。俺から見ると、米国というのは低文脈社会というよりは、もっと強く非文脈あるいは反文脈社会のように見える。なぜなのだろうか?

長くなるので、またの機会に書いてみたいと思う。

【メモ10/19/09】止められない、止まらない2009/10/19

・ イランでのテロ、イランは「米英の支援を受けたテロリストの攻撃」と非難。まあその可能性は高いでしょう。元々ブッシュ政権時代にイラン国内での秘密作戦用の予算を出していたから。

イラン:自爆テロ、死者35人に 宗派対立あおる目的か
http://mainichi.jp/select/world/news/20091019dde007030036000c.html

・ 米軍準機関紙のStars & Stripesの報告。ブルガリアとルーマニアに1億ドルを超える予算で米軍基地建設。

New bases in Bulgaria, Romania cost U.S. over $100M
http://www.stripes.com/article.asp?section=104&article=65438

アメリカで一番堅実な取引先はどこでしょうか?.....

もちろんペンタゴン。ペンタゴンとの契約が一番堅実な取引になる。飲料水に至る何から何まで米国本土からイラクの米軍基地に運んでいたという信じられない報道まであった。だから、「米軍基地ができれば地元が...」なんてのはとんでもない幻想。ペンタゴンとの米国契約企業がしっかりと食い込んでいるはずで、むしろお人好しがいて、基地内でカネを落としてやっているのではないんだろうか。米軍基地ツアーもその一環と考えた方がいいかも。

・ これは毎度お馴染み、いつものパターンかな。不正はあったけど、ちょっとした間違いで起きたことで、判明すれば、ほらすぐに米国は不正を摘発するんだあ!ってなところでしょうか。

How Moody's sold its ratings -- and sold out investors
(ムーディーズはいかにして格付けをカネに変え、投資家を裏切ったのか)
http://www.mcclatchydc.com/227/story/77244.html