戦争の語り部たち2009/12/17

インターネットは世界各地の個人を結び付ける。あるのは言語の壁だけだ。仕事で日常的に英語を使っている俺は、小泉がブッシュのイラク攻撃をいち早く支持し、実際に攻撃が始まってから、詳しくネットを調べるようになった。その過程で、My Linksにも載せているがリバーベンドさんのブログ"Bugdhad Burning!"に出会った。彼女の書いていることは、いわゆる主義主張が先行する政治ブログと違い、彼女の日常生活の描写だった。その観点から米軍による占領、イラクの政治が見通される。彼女の生活は、クリスチャンを含めてイスラム教でもさまざまな宗派が共存する社会から一種の一宗派至上主義の社会へと変わっていく。そして国外に脱出し、英語版では07年10月22日が最後のブログとなっている。

バグダッド・バーニング(日本語版)
http://www.geocities.jp/riverbendblog/

トラックバックしていただいた「マスコミに載らない海外記事」を出されているブロガーの方によれば、アフガニスタンにも凄まじい女性が登場しているようだ。その名は「マラライ・ジョヤ(Malalai Joya)」。議会から追放されてはいるが、れっきとしたアフガニスタン共和国の国会議員である。アフガンの状況を考えれば、まさにいつ殺されてもおかしくない人である。

アメリカ占領と、ハミド・カルザイの腐敗したマフィア国家
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/12/post-c3b7.html

イラクのときと同じく、アフガニスタンでもまた欧米のプロパガンダは炸裂している。「カルザイ政府も問題はあるが、それ以上にタリバン、アルカイーダは問題があり、カルザイ政府を育てていかなければならない。」これがネオコンやオバマ、そして渋々ながらNATO軍を送るヨーロッパの国々が言っていることである。

しかし、これが欧米向けに作られた嘘であることは、例えばケシ栽培のことを考えただけですぐに分かる。米軍侵略以降、アフガニスタンのケシ栽培は飛躍的に増大している。育つのに半年はかかる。そして、それを精製してモルヒネやアヘン、ヘロインにするには、さらに時間と設備がかかり、またそれを販売するにはネットワークが必要である。ケシを栽培している一般のアフガン国民にそんなことができるはずがない。できるとすれば、米軍がまさに支えているカルザイ政府の人間や大部分の国会議員、地元有力者などの、アフガンという貧乏国の大金持ちたちとしか考えようがない。

かって中南米の麻薬王たちと戦っていたと宣伝されていた米国はどこにいったのだろうか。まさか貧乏国アフガニスタンの農民がケシの温室栽培をやっていることはないだろう。米軍はそこらじゅうにあるケシ畑を目にしているはずなのだ。しかし、何もしない。ということは米軍は麻薬で儲けている連中と非常に良好な関係にあると考えていいということだろう。

サウジをはじめとする中東の独裁国家を見ても分かるが、米国というのは要するに独裁者や暴力団としかうまくやっていけないお国柄のようだ。そうなると、パキスタンのイスラマバードに計画されているバグダッドに並ぶ巨大大使館の建設というのは、うまくいきそうもないので、とりあえず暴力で荒らし、それから独裁者を立てるか、アフガニスタンのように暴力団が群雄割拠する国にしようということだろうか。他に自分たちが居座る方法はないのだから。

どことなく議論が滑稽に思える今日この頃2009/12/17

一応、日本で生活しているからiPodとか携帯とか液晶テレビとかいろんな便利グッズのニュースは入るし、自分も持っているけど、世界中を見渡せば、それなんだ?という人の方が多いんじゃなかろうか。アフガニスタンやイラクのの国外・国内移住組を見れば、かなりの人がテント生活、穴蔵生活である。となると、米国の住宅バブルは金融バブルだったけど、それ以上に米国をはじめとして、欧米とそれに準ずる国は実体経済そのものがバブルなんじゃないかという気になる。つまり、iPodとか携帯なんかなくても、別にどうってことない生活をしている人が世界にいくらでもいるわけで、一応実体経済の中に入っているけど、これ自体がバブルなんじゃないかと思えてくるわけだ。

テレビとかでは、中国はえらい経済的に威勢がいいように報道されているようだが、農村地帯とかにいけば日本円で月収数万という人がいくらでもいて、とはいえ彼らは生きている。むしろ、最近の阿修羅などの意見を見ると、日本なんてテレビなんて見ない方がいいなんて人が増えているようで(実際俺自身見なくなっているし)、考えようによっては、こうしたあってもなくてもいいようなものをGDPに計上して国力を判断する方が間違っていて、実体経済のバブルなんじゃないかとも思える。

要するに、欧米資本主義は実質的にはあってもなくてもどうでもいい実体経済バブルを作り上げてきて、それがマスコミなどを通じてあたかも人間のいわゆる現代生活になくてはならないように宣伝してきたけど、実際にはそんなものなくても、どうってことないということが明らかになりつつあるんじゃなかろうか...

纏まりに欠けるけど、なんかそういう世界に入ってきているような。それを問題にしなければ、CO2による地球温暖化とか、そんなもんいくら議論しても始まらないんでなかろうか。