「郵政民営化」の根拠はすでに破綻している2009/09/13

郵政民営化の問題について、構造改革とか民業圧迫とかの理屈を未だに持ち出す輩がいる。これらの理屈は、理屈にならないこと、すでに破綻していることが現実に証明されている。郵政解散の時、小泉くんは何と言ったか。

「民でできることは民に任せる。」

そうすればバラ色の世界。このような考えの小泉竹中政権の下、労働者派遣法改正など、民がやりたいようにやれるように法律を整備したら、どうなったか。年間自殺者3万人以上、ホームレスの劇的増加などなど。そりゃ当たり前で、民間企業は株主の利益とやらを最優先するわけで、その手のことは経団連前会長の奥田くんなどが明言している。つまり、やりたいようにやらせたら、「株主の利益」と「日本社会の利益」とが共存しえないことが現実に証明されてしまったわけだ。おまけに自分たちが困ったときは、自分たちの腹は痛めずに、雇用調整助成金など、日本の社会を構成する国民の税金をいいように使う。ご立派なゴロツキである。

こんなことは、これらゴロツキが尊敬する米国でもっと大規模に展開した。「大きな政府」とか「政府による規制」を非難していたゴールドマン・サックスなどの輩がその政府のおかげで大量に税金を投入されて助かり、未だに一部金融機関は大量の税金投入を受けている。他方で、「医療保険」で「公的保険」の話しになると、税金による金融機関救済をまるで非難しなかった保険業界の連中が「大きさな政府」「社会主義だ」と非難する。

これを見ても一目瞭然、金儲け至上主義のゴロツキどもは、その言葉の通り、自分たちが金儲けさえできれば後はどうでもいいのだ。新自由主義とか、いかにも理屈がありそうなふりをするのは単なる恰好付けにすぎない。「金儲けがすべて」と言ってしまったら、身も蓋もないから言わないだけ。

だから、郵政民営化問題を考えるにあたっては、「構造改革」とか「民業圧迫」だとかそんなことを基準にすることはない。元々「株主の利益」などという、日本社会のほんの1%いるかいないかの連中の利益を最優先するゴロツキが言っているだけなんだから。喫緊の最重要課題は「郵政民営化、4分社化」が日本社会全体にとって利益になるかどうかだけだ。官僚利権の復活とかは別問題。再び利権化がひどくなりそうなら、新しく登場する政権が正していけばいい。しかし、このまま何もせずに小泉竹中が望んだように民営化し、農林中金や竹中くんがいた慶応のように、へたなところに、つまりバクチにカネを注ぎ込んで大損できるようにしたら、ほぼ100%その大損は取り戻せない。