記者クラブ制に見る『バカの壁』2009/10/05

記者クラブ制はあまりマスコミには出てこないけど、マスコミの側にもいろいろ言い分はあるのだろう。しかし、国民の知る権利とか、そんな能書きよりも、最も重要なのはその日常の関係である。ご承知のように、記者クラブ用の記者室は実際にいろんな官庁や団体の建物の中に存在する。言ってみれば「間借り人」。大家はもちろん官庁や団体(実態は税金で運用されている建物)で、間借り人は使用料も払っていない。

記者室
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%98%E8%80%85%E5%AE%A4

おまけに、役所と一般民間企業、個人はこんな関係でもある。間借りしているマスコミが、民間企業や個人を大家の県庁や市役所に記者クラブに呼び出して、そこでプレスリリースとやらをやらせるのだ。この関係笑っちゃわない?一番エライのは、マスコミをただで間借りさせている大家、つまり、県庁や市役所ってことにならないか。

「一般の民間企業、個人がプレスリリースを行う場合、通常は地元の県庁や市役所の記者クラブに出向いて行うことになる。その企業の業種に関係する中央省庁の記者クラブで行うことも多い。」

大家は間借り人を当然監視するだろう。当たり前のことだ。間借り人がとんでもない奴だったら、困る。自分たちにやばいことがあれば、盗聴も当たり前に違いない。大家なんだから、そんなものを仕掛けることはいとも簡単にできる。さらには、間借り人がどう動くか大家は調査済みだから、間借り人が動きやすいようにニュースを流すことができる。下手に逆らう奴がいれば、見せしめに出入り禁止にすればいい。小沢さんの報道の件で、東京新聞がやられたように。

マスコミというニュース、つまり、情報を扱う人間として、こうした日常の「大家と間借り人」という人間関係に疑問を覚えない連中というのはバカ丸出しとしかいいようがない。自分たちが外部と交換している情報が大家に筒抜けの可能性はほぼ100%。これだけとってもマスコミというのは脳天気な連中の集まりというか。ほんと『バカの壁』。国民の知る権利だとかの能書きの前に、ニュースを扱う資格すらないのだ。それを自覚してやっているんなら、官僚や役人の根っからの下僕そのもの、使いっ走りってことだろう。

コメント

トラックバック