全国知事会は隠れ自民、官僚勢力!?2009/07/31

橋下大阪府知事を一生懸命マスコミが取り上げて、地方分権を求める全国知事会がいかにも新しい風のように紹介される。しかし、全国の知事ってそんなに革新的な人間ばっかりだったっけ。日本の権力構造、人間関係の出来方から考えると、どうもしっくりこない。おまけに2ヶ月近く前に出てきた「各党政権公約策定に対する要請に関する記者会見について」で出てきた配付資料とやらを読むと、消費税についてまるで自民党、官僚の喜びそうなことが書かれている。

「3 新たな国民負担について議論を避けず、地方消費税の充実・引上げを!
地方は、危機的な財政状況の下、これまで職員削減や給与カットなど国を上回る徹底した行政改革を行ってきたが、地方交付税の大幅削減に加え、今後、社会保障関係費等が確実に増嵩することから、財源不足額はさらに拡大することが見込まれる。医療、福祉等の社会保障や、教育、消防など住民生活に必須の行政サービスを安定的に提供していくため、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方消費税の充実・引き上げを行うこと。

なお、地域の未来に責任を負う我々も、出されたマニフェストを評価し、分権改革の実現に向けて行動することを申し添える。」
出典:http://www.nga.gr.jp/news/haifushiryou090618.pdf

どうもこの全国知事会というのは、マスコミの取り上げ方とは裏腹のかなり後ろ向きの組織じゃないだろうか。どんな知事連中が仕切っているのかと覗いてみると、上記の記者会見に登場した三人、平井鳥取県知事、麻生会長(福岡県知事)、古川政権公約評価特別委員会委員長(佐賀県知事)の経歴を見ると、この後に紹介する通り。一人ならまだしも、仕切っているのは、議員だったのを含めて元官僚ばかり(それより、記者会見のときの並び、官僚然とした表情、趣はなかなか笑える)。

http://www.nga.gr.jp/news/2009/post-421.html

まあ、橋下くんは、こんな連中と口車を合わせて、やってるわけですね。どうりでマスコミが全国知事会を取り上げるわけだ。納得しました。

・ 平井伸治(ひらいしんじ)
昭和59年 3月   東京大学法学部卒
昭和59年 4月   自治省入省
平成 2年 4月   福井県市町村課長
平成 4年 4月   福井県財政課長
平成 7年 9月   自治省官房総務課課長補佐(米国派遣)
平成 8年 4月   自治省財政局調整室課長補佐
平成 9年 4月   自治省税務局府県税課課長補佐
平成11年 4月   自治省税務局企画課理事官
平成11年 7月   鳥取県総務部長
平成13年 6月   鳥取県副知事
平成17年 4月   総務省自治行政局選挙部政治資金課政党助成室長
平成18年 6月   自治体国際化協会ニューヨーク事務所長
平成19年 4月   鳥取県知事就任(1期目)

・ 麻生 渡 (あそうわたる)
昭和38年 3月   京都大学法学部卒
昭和38年 4月   通商産業省入省
平成 3年 6月   商務流通審議官
平成 4年 6月   特許庁長官
平成 6年 7月   財団法人中小企業
総合研究機構顧問
平成 7年 4月   福岡県知事(4期目)

・ 古川 康(ふるかわ やすし)
昭和57年 3月   東京大学法学部卒
昭和57年 4月   自治省入省
平成元年 4月   長野県企画局企画課長
平成4年 4月   自治大臣官房情報管理官付課長補佐
平成6年 4月   岡山県総務部財政課長
平成9年 9月   自治大臣秘書官
平成10年 7月   自治大臣官房企画室環境対策企画官
平成11年 4月   長崎県商工労働部長
平成13年 4月   長崎県総務部長
平成15年 4月   佐賀県知事(2期目)

コメント

_ 上田 富士夫 ― 2009/08/08 20:25

ご意見納得です。ただ消費税増税に反対している橋下知事の評価は私は前向きです。前片山知事が言っていますが、全国知事会は旧自治省の外部団体で、地方分権は知事に権限を移すことが主眼で、住民のためではない、と指摘しています。全く同感です。知事には分権の前に先ずは自分の県を改善しろ、と言いたいですね。今日8日に発表された各党のマニフエスト評価なんてお笑いでしかないです。ただメディアがどう扱うか、信頼できないメディアだから大いに心配ですが。

_ masa ― 2009/08/09 08:38

上田さん、ご訪問有り難うございます。かなり時間を割くようにしているとはいえ、報道される様々な出来事を見て自分の考えをまとめているので、橋下さんの評価はまだ一定していないところがあります。ただ、自分かわいさで、何でも言っちゃう人には見えます。

> 前片山知事が言っていますが、全国知事会は旧自治省の外部団体で、

これは、本当だと思います。現在何となく浮かんでいるのは、利権の二重構造です。小泉、竹中をはじめとする米国に貢ぐ利権派と旧来からある官僚が主導する利権派です。もちろん、大多数の日本国民にとってどちらも歓迎すべき勢力ではありませんが。これは別に対立しているわけではなく、小泉竹中政権を振り返ると、両者の間で調整可能な、場合によっては補完し合う勢力です。政権交代によって、最悪でも米国に貢ぐ勢力が排除されることを望んでいますが。少なくとも、米国に貢ぐより、国内にカネが回ると思えるので。

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