米国発の気になる経済ニュース2009/07/15

正直なところ、毎日のニュースを見るのが怖くなっている。商業銀行に鞍替えして政府救済を受け、その後、AIGの政府救済によってCDS保険金も受けたゴールドマン・サックスが、米国の実体経済の方はますます悪くなっているのに、好業績を発表。何か禿鷹がその本性をオブラートに包もうともしなくなったというか。

ゴールドマン・サックス純利益34億ドル 4~6月期
http://www.asahi.com/business/update/0714/TKY200907140396.html

収奪されているのは、日本だけではなくて、一般の米国民もそう。米国は失業率がじわじわと上がり、不動産の差し押さえもうなぎ登り。銀行などの貸し手が差し押さえの通達をしながら、実際にはそうしないという状況まで起きている(差し押さえても税金とか維持費がかかるだけで、差し押さえるメリットがない)。で、FRB議長のバーナンキさんは、こう発言している。

米経済、雇用なき回復「ありうる」 バーナンキFRB議長
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090714AT2M1400O14072009.html

スゴイというか。オバマさんは景気刺激とか雇用創出とか言っていましたが、あれはリップサービスだけだったんじゃなかろうか。なぜなら、失業率は上がるばかりだし、銀行などの貸し手には実弾を渡しているのに、借り手には空包を渡している。例えばローン債務の場合は、単に支払の延長をしただけ。さらに景気は悪化するから、支払い不能になるのを先送りしただけ。

このニュースも面白いかもしれない。米英間で小さな金融資本のサークルが政府を牛耳ってる様子が見えてくる。現在の状況のバックに、イギリスがどのように関わっているのか。

米司法省がCDS市場を調査-マークイットに情報提供要請
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aLPTHLcyrxsQ

記事によれば、マークイットってのはイギリスにある会社で、そもそもこの会社の株の50%以上はゴールドマンなどの大手金融機関が株主。そんなマークイットに米司法省が情報提供を依頼。ゴールドマンなどへの税金投入を元ゴールドマンCEOのポールソンや元ニューヨーク連銀のガイトナーが決めたのとまるで同じ構図。

最近の状況で良いことがあるとすれば、いろいろな構造の輪郭がある程度目に見えるようになってきたことだろうか。ということは、収奪している者たちがなりふり構わない状況になっている、と考えていいだろう。最近は日本でも実に多くの場面で禿鷹の名前が登場する。今後の日本を考える上でも、注目すべきと思える。

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