マスコミ報道とは異なる「国民皆保険」に対する米国民の意見2009/08/25

公的医療保険、つまり、「public option」付きの公的国民皆保険に対して米国民がどのような意見を持っているのか、さまざまなところで世論調査が実施されている。集約される意見は、産経の古森氏などの伝える見解とはまるで異なる。古森氏がここで書いていることは、ほんの一部の意見を米国民の大多数の意見として、問題の本質をずらすことを意図したデマ、プロパガンダと言われても仕方がない。

【緯度経度】医療保険改革 オバマ支持を減らす
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/292667/

実際は、次のグラフが示すように、どの世論調査でも米国民の7割前後が「public option」付き、つまり、政府が運営する公的医療保険を支持している(画像をクリックすると拡大)。

publicopiniongraph

出典: Public Opinion and the Public Option
http://citizenactionny.org/2009/08/public-opinion-and-the-public-option/867


これだけの国民の支持があるにもかかわらず、オバマさんはなぜ保険会社や製薬会社と非公開の話し合いをもち(「談合」そのもの)、「public option」撤回を臭わす発言をしているのだろうか?オバマ不支持が増している最大の原因は、古森さんなどが指摘しているようなことではなく、国民に対する裏切りともとれるオバマさんの姿勢にあるのではないのだろうか。

米国医療改革 - オバマさんはなぜ「談合」したのか?2009/08/25

オバマさんにとってもっと優しい言い方をすれば、米国議会で医療改革の審議中、なぜオバマさんは製薬会社や医療保険会社のトップと会合を持つ必要があったのだろうか。それも、過去数ヶ月にホワイトハウスで4回も5回も会合を持っている。これは、ラルフ・ネーダーさんが現地8月14日付けのDemocracy Now!で語ったことである。

You can see this emerging over the last few months. President Obama has met with the heads of the drug companies and the health insurance companies. Some executives have met with President Obama four to five times in the White House in the last few months.

“You Do Not Cut Deals with the System that Has to Be Replaced”: Ralph Nader on Secret White House Agreements with the Drug Industry(置き換えななければならないシステムと取引はしない。ネーダー、ホワイトハウスと製薬業界の密約について語る)
http://www.democracynow.org/2009/8/14/you_dont_cut_deals_with_the

この会合の成果なんかどうか、少なくとも製薬業界についてはすぐに興味深い現象が現れた。大手製薬会社がオバマの政策を支持するキャンペーン・コマーシャルのスポンサーになった。これを「談合」と呼ばずに何を「談合」と呼ぶのだろうか?オバマさんは、このような会合の重大性を認識できないほどの人物なのだろうか?

Healthy Economy Now for firms connected to Obama campaign
(オバマのキャンペーンに繋がりのある会社のためのHealthy Economy Now)
http://therealbarackobama.wordpress.com/2009/08/18/healthy-economy-now-for-firms-connected-to-obama-campaign/