オバマが売り込む被害妄想2009/08/19

いつも誰かに狙われている、そのうち隙を見て誰かが攻撃してくるに違いないと思っている連中は、過去にやましいことをしたか、現在もそうしたやましいことをしているのではないか。そんな考えを持っている連中は、常に他者に対して攻撃的であり、関わる者すべてを殲滅しなくては安心できないという志向を持つ、と日本人の多くは考えるのではないだろうか。一種の病気、被害妄想である。

オバマ大統領が、そんな被害妄想的な心性を米国民に売り込んでいる。オバマ自身が被害妄想かどうか定かではないが、米国民の間でこの被害妄想が当たり前の状態となっていることは確かなようだ。イラクでブッシュが言ったように、アフガンでも、同じフレーズが何度も何度も繰り返されて、米国民に被害妄想が刷り込まれ、絶大な力を持っていく。

「我々は忘れてはならない。アフガン戦争は選択できる戦争ではない。必然的な戦争だ。911に米国を攻撃した連中は再びそうしようと企んでいる。タリバン反乱勢力を野放しにしておくことは、アルカイーダがさらに多くの米国民を殺す企てをする安全な隠れ場のさらなる拡大を意味する。」(We must never forget,” he said. “This is not a war of choice. This is a war of necessity. Those who attacked America on 9/11 are plotting to do so again. If left unchecked, the Taliban insurgency will mean an even larger safe haven from which Al Qaeda would plot to kill more Americans. )
Obama Defends Strategy in Afghanistan
(オバマ、アフガン戦略を擁護)
http://www.nytimes.com/2009/08/18/us/politics/18vets.html?_r=2&th=&emc=th&pagewanted=print

元々被害妄想傾向の国民が大多数を占めるから、何らかの途方もないきっかけがない限り、この被害妄想から彼らが解放されることはないだろう。この被害妄想の下では、お得意の効率から見た視点もいっさい忘れられ、地球の裏側にいる、恐らくは多くても数千、数万程度の狂信者を殲滅(どうやって?)するために、毎日毎日赤字を垂れ流す一方で、億を超える巨額な無駄が費やされる。

米国民にある、こうした被害妄想と、超単純な人類観、つまり、人間は誰も同じ、同じことを望んでいるという見方、善悪二元論を前提にすると、米国のやっていることがよく理解できる。イラクでも、アフガンでも、その土地に暮らす人々が「ノー!」と言っているにもかかわらず、それは彼らがまだ民主化されていないからとか、遅れているからとかと考え、自分たちの被害妄想と超単純な人類観が間違っているとはこれっぽっちも思わない。どっかの主義者、宗教カルトそっくり。

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